IT技術の急速な進化により、企業を取り巻くビジネス環境が大きく変化している現在、このような変化に対応し、企業が競争力を維持・強化するためには、デジタル技術の活用でビジネスモデルの変革を図る「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進が欠かせません。
DX推進を阻む課題の1つとして、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した社内システム(=レガシーシステム)の増加が挙げられます。
従来の古いシステムを使い続けていると、新しいデジタル技術への対応が限定的になったり、保守管理の負担・コストが増加したりする可能性もあり、こうしたレガシーシステムから脱却するために注目されているのが「システムリプレイス」です。
そこで今回は、システムリプレイスの目的やメリット、4つの移行方式、具体的な進め方、成功に導くための実施ポイントなどについて詳しく解説します。
システムリプレイスにはどのような方法があって、自分たちはどの方法を選ぶべきなのだろう?
と疑問に感じている情報システム部門担当者の方は、ぜひご一読ください。
目次
1.システムリプレイスとは?
システムリプレイスとは、長い間使い続けてきて古くなった社内システムの全部または一部を、新しいものに置き換えるプロセスを指します。
英語で「交換する」「取り替える」といった意味を持つ「リプレイス(replace)」が語源となっており、古いシステム(=レガシーシステム)が技術的に時代遅れになったり、現状のビジネスモデルに合わなくなってきた際に行われることが多いです。
現行の業務内容や今後の会社の経営方針に合わせて、ハードウェア・ソフトウェアの一部だけを交換する場合もあれば、既存システムを丸ごと入れ替える場合もあります。
「リプレイス」と「マイグレーション」の違い
システムリプレイスと似たような意味を持つ言葉として、「マイグレーション」というキーワードがあります。
マイグレーションとは、OSやプラットフォームといったシステム環境を変更するプロセスを指します。
英語で「移行」「移転」という意味があり、古いOSやプラットフォームのサポートが終了してセキュリティリスクが顕在化したり、既存システムの保守運用コストが肥大化した際に多く実施されます。
古くなったシステムをまったく別の新しいシステムに入れ替える「リプレイス」とは異なり、「マイグレーション」では現行のシステムやデータを新しい環境に移行し、システム自体は置き換えることなく、同じものをそのまま使用し続けます。
- リプレイス:
┗同じ敷地内で新しく家を建て替える
- マイグレーション:
┗今まで住んでいた家屋をそのまま別の土地へ移し替える
と考えると分かりやすいでしょう。
システムリプレイスの目的
システムリプレイスの目的は、主に「攻め」と「守り」の2種類のケースに分けられます。
「攻め」の投資
「攻め」の投資とは、AIやビッグデータ、IoTなどの最新トレンドに対応し、さらなる事業拡大やビジネスチャンスの獲得を目指すためにシステムリプレイスを実施するケースです。
システムリプレイスを通して、AI・ビッグデータ分析・IoT・AR/VR・ブロックチェーンなどの最新技術を積極的に取り入れることで、ビジネスモデルに大きな変革をもたらすデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を後押しし、
- 業界内での競争優位性の確立
- 顧客満足度の向上
- 新製品・サービスの開発促進
- 業務効率の向上
といったさまざまなメリットを得ることができます。
「守り」の投資
「守り」の投資とは、レガシーシステムが内包するさまざまな問題を解決し、今後もシステムを継続して安定運用するためにリプレイスを実施するケースです。
レガシーシステムは、主に次のような問題を抱えがちです。
- システムの老朽化
┗処理するデータ量の増加にハードウェアのスペックが追いつかなくなり、動作が重くなる
- システムの複雑化
┗長年にわたり機能追加などのカスタマイズを繰り返したことで、システムの内部構造が複雑化し、修正が必要な箇所を容易に変更できない
- システムのブラックボックス化
┗現行システムに精通した技術者が減少し、適切な運用・メンテナンスを行える担当者がいない
- セキュリティリスクの増大
┗サポート期間の終了により、最新のセキュリティアップデートやソフトウェアに対応できず、不正アクセスやマルウェア感染などの危険性が高まる
- 時代の変化に合わせた対応の限界
┗新しい技術やビジネス環境にシステムが適応できず、運用の手間が発生する
「守り」の投資は、こうした課題・不具合を解決し、システムの安定性やセキュリティ、パフォーマンス等を効率的に維持・向上するために行われます。
システムリプレイスを実施すべき時期
システムリプレイスを実施する時期については、特に明確な基準が定められているわけではありませんが、一般的には導入してから5年程度が目安として考えられています。
この「5年」という期間は、国税庁が定めるソフトウェアの耐用年数(減価償却期間)が5年であることに由来しており、経年劣化によるパフォーマンスの低下や保守コストの増加、市場ニーズの変化などを理由に、システムリプレイスは5年おきに行うことが一般的に推奨されています。
とは言え、実際にシステムリプレイスを行うべき時期は、そのシステムの性質や運用状況、企業のビジネス環境によって大きく左右され、5年を待たず早々に劣化してしまうシステムもあれば、10年以上もの長きにわたり問題なく使い続けることのできるシステムも存在します。
5年を1つの基準としつつも、次のような兆候が見られた場合は、システムリプレイスを早めに検討することをおすすめします。
- システムエラーなどの技術的な問題が頻発する
- システムの機能や性能が業務の実情とそぐわない
- システムの製造元(メーカー)のサポート期間が終了する
- システムの保守・運用コストが増大している
- 法改正に対応する必要がある
2.システムリプレイスのメリット
システムリプレイスを定期的に行うメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 常に最新のセキュリティ対策を維持できる
- システム動作の安定性を維持できる
- デジタルトランスフォーメーション(DX)を進められる
常に最新のセキュリティ対策を維持できる
システムリプレイスは、セキュリティの観点から非常に効果が高いと言えます。
古いシステムは、最新のソフトウェアに対応していないことが多く、セキュリティの脆弱性が放置されてしまう危険性があります。
特に、サポート期限が切れたシステムは、セキュリティ更新プログラムの提供が受けられなくなるため、近年ますます多様化・巧妙化しているサイバー攻撃に対して無防備な状態になりかねません。
その点、適切なタイミングでシステムリプレイスを定期的に行うことで、常に最新のセキュリティ対策が施された状態で、高い安全性を確保しながらシステムを運用できるようになります。
システム動作の安定性を維持できる
システムリプレイスにより、ハードウェアやソフトウェアを新しいものに取り替えることで、システムを継続的に安定して動作させることができます。
例えば、ハードウェアを交換することで処理能力が大幅に向上したり、ストレージの容量が格段に増えるため、「システムの動作が重い」といったパフォーマンス面の問題や、「データが保存できない」といった容量不足の問題を解消できます。
同時に、故障や破損のリスクも軽減できるため、システム全体の安定性・信頼性が向上し、システムダウンによる業務中断・停滞の時間を最小限に抑えられます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を進められる
システムリプレイスを行うことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しやすくなるのもメリットの1つです。
近年、多くの企業がビジネス変革や競争力強化に向けてDXに取り組み始めていますが、DXをスムーズに進めるためには、複数のシステムを連携させたり、AIやビッグデータ、IoTといった先進技術を取り入れるなど、これまでとは違った形でのシステム運用が求められます。
リプレイスによって、最新のテクノロジーやソリューションを組み込むことが容易になれば、古いバージョンの機器やソフトウェアでは対応しきれなかった顧客ニーズの実現可能性も高まり、新たなビジネスチャンスの獲得が見込めるでしょう。
3.システムリプレイス4つの方式
システムリプレイスには、大きく分けて4つの方法があります。
- 一括移行方式
- 段階移行方式
- 並行移行方式
- パイロット方式
それぞれの方式の特徴やメリット・デメリットは次の通りです。
①一括移行方式
一括移行方式とは、現在使用中のシステムから新しいシステムへと一気に切り替える方法です。
切り替えの際は、既存システムを一時的に停止させる必要があるため、数日程度システムを全面的にストップしても業務にそれほど大きな支障が出ない場合に有効といえます。
逆に、24時間365日稼働していなければならないシステムや、大規模なシステムでデータ量が多く、移行に時間がかかってしまう場合には適していません。
メリット:
- 切り替え作業が一度で済むため、移行の手間やコストを最小限に抑えられる
- 既存システムが抱えていた問題を一気に解決できる
- 新旧システムが混在しないため、互換性に関する問題を回避できる
デメリット:
- 移行作業中はシステムを利用できないため、業務に影響が出やすい
- 移行中にトラブルが発生した際の影響範囲が大きい
②段階移行方式
段階移行方式とは、現在使用中のシステムから新しいシステムへと段階的に少しずつ移行していく方法です。
一括移行方式とは対照的に、業務・機能などの小さな単位に分けて部分的にシステムを切り替えていくため、1回あたりのシステム停止時間を短縮でき、トラブル発生時の影響も少なくて済みます。
移行するデータの量・種類が多い、一度に長時間のシステム停止が許されない状況にあるなど、大規模なシステムで一括移行が難しい場合によく使われる方法です。
メリット:
- システムを全面停止する必要がない
- 1回の切り替え作業にかかる時間を短縮できる
- トラブル発生時の影響範囲を限定できる
デメリット:
- 最終的な移行完了まで時間・労力がかかる
- 新旧システムが一時的に共存するため、運用が複雑になる
- 新旧システム間で互換性の問題が生じる場合がある
③並行移行方式
並行移行方式とは、新旧システムを一定期間同時に運用し、新システムの動作やセキュリティ面などに問題がないか比較検証しながら、徐々にリプレイスを進めていく方法です。「順次移行方式」と呼ばれることもあります。
新旧2つのシステムを同時に並行稼働させて、しばらくの間運用結果を比較・分析し、新システムで業務が問題なく行えると判断されたタイミングで旧システムを停止し、移行を完了させます。
金融系や医療系のシステム等、機密性の高い情報を有しており、データの扱いにおいてミスが許されない場合や、現行システムの稼働を一切停止できない場合など、業務への影響を最小限に抑えつつ、着実に新システムへの移行を進めたい時に向いています。
メリット:
- システムを停止せずに移行を進められる
- 運用結果を比較検証しやすい
デメリット:
- 新旧2つのシステムを運用する負担やランニングコストが大きい
- 最終的な移行完了まで時間・労力がかかる
④パイロット移行方式
パイロット移行方式とは、まず社内の一部の部門(=パイロット部門)で新しいシステムを試験的に導入し、その結果を見ながら徐々に他の部門へと導入を拡大していく方法です。
「パイロット(pilot)」は英語で「試験的に行うもの」「先行するもの」といった意味があり、パイロット部門で新システムを試験運用してノウハウを蓄積した後、運用が安定した段階で本格的に他部門へと展開します。
もし試験段階で問題が発生したとしても、それを一種のケーススタディにできる点もメリットの1つです。
新旧システムの間で仕組みや活用方法が大幅に異なっており、未知の要素を多く含む場合や、移行に伴う影響を慎重にテストしてから全体のリプレイスにつなげることで、新システムへ移行する際のリスクを極力抑えたい場合に向いています。
メリット:
- トラブル発生時の影響範囲を限定できる
- 先行のパイロット部門で得たノウハウを全体での移行時に反映できる
デメリット:
- 最終的な移行完了まで時間・労力がかかる
- パイロット部門で問題がなくても、他の部門で同じように成功するとは限らない
選び方のポイント
上記で紹介した4種類のシステムリプレイス方法のうち、移行時のリスクは大きいものの、かかる時間やコストが最小限で済むのが「一括移行方式」、移行に時間・コストはかかるものの、トラブル発生時の影響が少ないのが残りの3つの方式です。
まずは、「移行期間の短縮」と「移行時のリスク低減」のどちらを重視するか判断したうえで、各システムの性質・特徴に合った最適な移行方式を検討しましょう。
4.システムリプレイスの進め方
システムリプレイスの具体的な進め方についてご紹介します。
プロジェクトチームを立ち上げる
まずは、システムリプレイスを進めるためのプロジェクトチームを結成しましょう。
プロジェクトにおいては、社内システム全体の管理を担う情報システム部門だけでなく、システムを実際に利用している部門のスタッフや予算に関する担当者など、さまざまな部門のメンバーが関与する必要があります。
これにより、実際に現場での業務を経て得た経験や財務的な観点を考慮した、多角的な視点からの検討・意思決定が可能となり、プロジェクトの成功に向けて万全の体制を整えることができます。
要件を洗い出して整理する
プロジェクトチームが発足し、参画メンバーが決まったら、次はシステムリプレイスにおける要件を明確化しましょう。このフェーズは「要件定義」と呼ばれます。
既存システムで「実現できていること」と「実現できていないこと」を徹底的に洗い出し、その結果を踏まえて新しいシステムがどのような機能を持つべきか、どの程度の性能・拡張性を備えるべきか、などを明らかにします。
要件定義が不十分なままプロジェクトを進めてしまうと、せっかく多大な時間やコストをかけてリプレイスを行っても、「必要な機能が不足していて業務が成り立たない」といった致命的なトラブルが生じる可能性があるため、この段階で要件を漏れなく正確にまとめておくことが何よりも重要です。
リプレイスを委託するベンダーの選定を行う
続いて、システムリプレイスを委託するベンダーの選定を行います。
各業者の技術力や実績、信頼性、サポートの充実度、コストパフォーマンスなどを総合的に評価し、自社のビジネスニーズと最もマッチするベンダーを選ぶことが求められます。
自社にとって最適なベンダーを選定するための詳しい方法については、以下の記事をご参照ください。
なお、システムリプレイスにどれだけの費用がかかるのか判断が付きにくい場合は、複数のシステム開発会社に問い合わせて概算の見積もりを出してもらうと、おおよその費用相場を把握でき、予算策定に活かせます。
移行計画を立てて予算を確保する
要件を整理した後は、システムリプレイスに向けた具体的な移行計画を策定し、システムベンダーからの見積もり結果をもとにプロジェクト予算を確保します。
移行計画書を作成する際は、次のような項目を盛り込んでおくと良いでしょう。
関係者の間で認識の相違が生じないよう、細かい部分まで綿密に計画を立てることがポイントです。
- 移行概要:全体的な移行方針・移行実施の目的
- 移行スケジュール:移行開始から完了までのスケジュール・タスク順序
- システム停止時間:移行作業のために必要な旧システムの停止時間
- 移行対象:移行するデータや機能などの一覧
- 移行方法:移行にあたって採用する移行方式
- 切り戻し方法:トラブル発生時の旧システムへの切り戻し方法
- 使用するツール:データ移行などにおいて使用するツール
- 移行による影響・対処:移行時において考えられるリスク・対処方法
- 移行体制:移行時の人員配置・連絡先
- 移行テスト:移行テストの実施範囲・環境
その後は、作成した移行計画や見積もりの結果をもとに、社内ワークフローに準じた形で予算を確保します。
移行データを準備する
続いて、新システムへ移行するデータの準備を進めましょう。
元のデータをそのまま移行できるような互換性の高いシステムであれば特に問題ありませんが、新システムの仕様によってはデータの表示形式が変わり、調整や加工が必要になるケースもあります。
移行元と移行先で異なるデータ形式のまま無理矢理移行しようとすると、最悪データの破損につながり、業務に支障が出てしまう恐れがあるため、リプレイス後にデータやファイル形式がどのように変わるのか必ず事前に確認したうえで、新システムに合わせて移行データを整えておきましょう。
移行のリハーサルを行う
移行に向けて準備が整ったら、本番移行前に必ず移行テスト(リハーサル)を実施しましょう。
実際の移行作業では、予期せぬトラブルやミスが発生するリスクが常にあるため、まずはリハーサルを行って問題なく移行できるかどうかを確認します。
リハーサル中に問題が見つかった場合は、前もって解決方法を準備しておくことで、本番移行の際も慌てることなく安心して作業を進めることができるほか、移行後もスムーズに業務を行えるようになります。
本番移行を実施する
リハーサルが完了し、問題なく移行可能であると判断できたら、いよいよ本番の移行作業を実施します。
この際、新旧2つのシステムの間でデータの整合性が取れているかどうかは、特に重点的な確認が必要です。データの欠損や重複が生じないよう、細心の注意を払いながら作業を進めましょう。
なお、本番移行によって既存の業務に影響が生じないよう、システム停止時間に関するユーザーへの事前周知を欠かさずに行い、加えて移行作業中に不具合が発生した場合に備え、迅速に旧システムへ切り戻せるような体制も整えておくことが大切です。
5.システムリプレイスを成功に導く4つのポイント
最後に、システムリプレイスを成功させるために押さえておくべき4つのポイントをご紹介します。
現場の声は上流工程から取り入れ、要件定義をおざなりにしない
一般的に、システムリプレイスは新規システム開発よりも難易度が高いと言われており、プロジェクトを成功させるうえで欠かせない最も重要なステップの1つが「要件定義」です。
「現行システムの仕様を踏襲する」など、要件定義に曖昧さがあると、後の工程になって「必要な機能の抜け漏れ」といった問題が表面化し、多くの手戻りが発生して余計にコストがかかったり、大幅なスケジュールの遅延につながったりする恐れがあります。
リプレイス後になって「使い勝手が悪い」「業務実態に合わない」等のトラブルを避けるためにも、上流工程にあたる要件定義フェーズでは、現状分析や課題の洗い出しをしっかりと行ったうえで、新システムにはどのような機能が必要になるのか、過不足なく詳細に要件を詰めていくことが大切です。
この時、要件定義の段階から、実際にシステムを業務で利用している社員の声をヒアリングして要件に反映させることで、より現場の課題に即したシステムリプレイスを実現することができます。
リスクを想定し、余裕を持ったスケジュールを立てる
システムリプレイスの計画を策定する際は、思わぬトラブルが発生するリスクも踏まえ、余裕を持った無理のないスケジュールを立てるようにしましょう。
日数や予算にある程度余裕を持たせることで、万が一想定外の出来事やエラーが発生した場合でも、冷静に落ち着いて対処できるようになり、結果的にリプレイス作業の失敗を防ぐことができます。
さらに、計画内容を共有する際には、関係者の間で認識のズレが生じないよう、細かい部分まで明文化しておき、定められたスケジュールに沿って計画通り作業を進めることがポイントです。
信頼できるベンダーを選び、リプレイスに主体的に関わる
システムリプレイスの実施には、システムやサーバー、ネットワーク、セキュリティなどに関する幅広い専門知識や技術が必要になることから、自社だけで進めるのは難しい場合がほとんどです。
そのため、リプレイスを検討している場合は、信頼できる適切なシステム開発会社に依頼し、共同で進めていくようにしましょう。
システム開発会社からの提案により、自社では気付けなかった課題を発見できたり、よりニーズに合った最適なシステムの導入につなげられる場合もあるため、専門家には積極的に頼るべきです。
ただし、システムリプレイスをすべてベンダー任せで進めてはいけない点には注意しておく必要があります。
ベンダーは、システム開発やIT技術に関しては豊富な専門知識を持っていますが、既存システムにまつわる業務の現状や課題感については、自社の方が断然詳しいといえます。
システムリプレイスを成功させるためには、決してベンダーに作業を「丸投げ」することなく、社内で課題やゴールを明確に設定し、積極的にベンダーへ意見や要望を伝えるなど、自らも主体的にプロジェクトへと関わる姿勢が重要です。
システムリプレイスの重要性・難しさに対する共通認識を持つ
リプレイスを万全の体制で計画通りに進めるためには、情報システム部門のほかに、経営層やシステムを実際に利用する現場部門も含め、システムリプレイスを行う目的・意義・重要性や難易度の高さについて、会社全体で共通認識を持つようにしましょう。
プロジェクトの進行にあたっては十分な予算・期間・人材を確保する必要があり、失敗すれば事業の運営やビジネスパフォーマンスにも悪影響を及ぼしかねないことから、システムリプレイスの必要性やリスクに関する経営層の理解は欠かせません。
また、リプレイスに伴い現場の業務プロセスにも変化が生じ、新システムの使い方や操作方法までも覚える必要があることから、システム利用者への社内周知も不可欠です。
システムリプレイスを行う重要性や難しさについて、経営層や現場にも十二分に理解してもらい、会社全体で一丸となってプロジェクトに取り組めるようにしましょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
難易度の高いシステムリプレイスを成功させるためには、既存システムの状態や課題内容を整理したうえで、経営層や現場社員も含め会社全体でリプレイスの重要性・リスクを認識し、自社の状況やニーズに合った適切な移行方法を検討することが大切です。
トラブルが発生しても日常業務への影響を最小限に抑えられるよう、信頼できる外部ベンダーの力も借りながら、自社システムのリプレイスを進めていきましょう。
なお、システムリプレイスの成功に向けて専門的な人材の不足にお悩みの企業様は、ぜひ経験豊富な「プロジェクトマネージャー(PM)」「プロジェクトリーダー(PL)」「システムエンジニア(SE)」が多数在籍しているコンピュータマネジメントにご相談ください。
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。