最終更新日:2025年4月1日

Microsoft社が提供するクラウドストレージサービス「SharePoint Online」は、企業内の部署やプロジェクト単位で、ファイル・情報共有が簡単に行える大変便利なツールです。
「ファイル共有」を主な目的として使われることの多いSharePointですが、実は複数人で共同編集ができたり、ファイル内の文章まで検索対象に含めることができたり、社内掲示板として利用できたり、ワークフローを構築できたり、アンケートを作成できたりと、少し意外な機能も持ち合わせていることはご存知でしょうか?
そこで今回は、SharePointでどのようなことができるのか、導入するメリットは何か、価格プランも含め基本的な情報を改めて整理していきたいと思います。
記事の後半では、当社でのSharePoint活用事例もご紹介しています。
SharePointの導入を検討されている方はもちろん、既に導入済みで「SharePointってファイル共有ぐらいしか使い道ないのでは?」と思っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.SharePointとは?
SharePoint(シェアポイント)とは、Microsoft社が提供する企業向けの情報共有・コラボレーションツールです。
ファイル共有やドキュメント管理はすべてSharePointで行えるほか、チームやプロジェクトごとに社内ポータルサイトを作成し、業務に関する情報を1ヵ所に集約することで、効率的なコミュニケーションを実現できます。
SharePointは、Microsoft社が提供するクラウド型のサブスクリプションサービス「Microsoft 365」の一部に含まれているため、WordやExcel、Outlook、TeamsなどのMicrosoft製品と簡単に連携でき、業務効率の向上を目指して多くの企業で活用されています。
オンプレミス版とクラウド版がある
SharePointには、自社で構築したサーバーにインストールして利用する「オンプレミス版」と、クラウド上で利用できる「クラウド版」の2種類があります。
種類
SharePoint Server
(オンプレミス版)
SharePoint Online
(クラウド版)
特徴
- 自社サーバーにインストールし、オンプレミス環境で利用する
- 自社でメンテナンス・管理が必要
- 「SharePoint Server 2016」と「SharePoint Server 2019」は、2026年7月14日にサポート終了予定
- クラウド上にデータが保管される
- インターネットに接続されていれば、いつでもどこでもアクセス可能
- セキュリティやアップデートはMicrosoft社が管理
クラウドサービスが浸透した現在では、 一般的に「SharePoint」と言えばクラウド版の「SharePoint Online」を指すことが多くなっています。
(本記事内でも、「SharePoint」=「SharePoint Online」として話を進めていきます)
なお、オンプレミス版の「SharePoint Server 2016」と「SharePoint Server 2019」は、 2026年7月14日にサポートが終了することが決定しており、もし該当バージョンを使用している場合は、クラウド版「SharePoint Online」への移行など、セキュリティリスク軽減に向けて早めに対応を検討する必要があります。
OneDriveとの違い
SharePointと似たようなファイル共有サービスとして「OneDrive」がありますが、SharePointが「組織向け」の情報共有・コラボレーションツールなのに対し、OneDriveは「個人向け」のクラウドストレージサービスというのが大きな違いと言えます。
【SharePoint】
- 組織全体やチームでのファイル共有、共同作業、ドキュメント管理を目的としたサービス
- ポータルサイトを構築し、部門やプロジェクトごとに情報を分かりやすく整理できる
- アクセス権の細かい設定や、ファイル内の本文まで検索対象にする「全文検索」にも対応しており、ファイル管理の利便性に優れている
【OneDrive】
- 個人でのデータ保存を想定したストレージサービス
- 多機能なSharePointに比べ、ファイル管理機能に特化したシンプルなサービス
- OneDriveに保存したファイルは、基本的に本人以外アクセスできず、共有の設定を行うことで初めて他のユーザーがアクセスできる
- 全文検索機能はなく、ファイル名での検索のみ可
Teamsとの違い
SharePointとTeamsは、どちらもMicrosoft 365アプリケーションの1つですが、SharePointは「情報共有・文書管理」、Teamsは「リアルタイムコミュニケーション」を主な目的とする点が大きな違いと言えます。
【SharePoint】
- 主な用途:ファイル共有、ドキュメント管理、ポータルサイト作成
- 適したシーン:組織全体でのフォーマルな告知、不特定多数での情報共有
- リアルタイム性:低い。リアルタイムな情報のやり取りには不向き。
【Teams】
- 主な用途:リアルタイムでのやり取り、チャット・ビデオ会議
- 適したシーン:特定のチームや個人とのカジュアルなコミュニケーション
- リアルタイム性:高い。チーム内や個人間で素早いやり取りが可能。
2.SharePointの機能一覧
SharePointにはさまざまな機能があり、上手く組み合わせて活用することで、情報共有や業務プロセスの効率化、チームコラボレーションの促進に役立てられます。
以下に主要な機能を一覧でご紹介します。
機能
サイトの作成
ページの作成
ドキュメントライブラリ
ワークフロー
全文検索
リストの作成
アンケートの作成
予定表の作成
ファイルのバージョン管理
Microsoft製品との連携
内容
全社、または部署・プロジェクトごとに情報共有を行うサイトを作成
サイト内にWebページを作成
ファイルの保存、共有、共同編集
業務プロセスの自動化を図る
ファイルやサイト内の情報をまとめて検索
Excelのようにデータを表にして管理
アンケートの作成・回答の収集
サイト上にカレンダーを表示し、予定の登録・編集・共有を行う
ファイルやリストに対して変更履歴を記録し、必要に応じて過去のバージョンに復元
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsなどのMicrosoft 365アプリとシームレスに連携
3.SharePointでできること
SharePointでできることとしては、次の9つが挙げられます。
- 社内ポータルサイトの作成
- ファイル共有・共同編集
- ワークフローの構築
- 情報の全文検索
- リストの作成
- アンケートの作成
- 予定表の作成
- ファイルのバージョン管理
- Microsoft製品との連携
社内ポータルサイトの作成
SharePointでは、チームや部署、プロジェクトごとに情報共有を行うためのポータルサイト(=チームサイト)と、「社内掲示板」のようなイメージで社員全員に情報を発信するためのポータルサイト(=コミュニケーションサイト)の両方を作成できます。
SharePointのメインとも言える機能で、作成できるサイトは主に次の3種類です。
【チームサイト】
- 部署やチーム、プロジェクト内で情報やファイルを共有するためのサイト。限られたメンバーだけで情報を共有したい場合に便利。
- 利用者を細かく分けた複数のポータルサイトを作ることで、情報の混在、重要な機密情報の漏えい、不要な情報の閲覧といったセキュリティリスクを減らし、安心して情報共有を行える。
- Teamsとの連携が可能で、TeamsとSharePointのどちらからでも同じファイルを管理・編集できる。
【コミュニケーションサイト】
- 全社的に情報共有を行うためのサイト。
- 「掲示板」のようなイメージで、社員全員が見るような会社のニュースやお知らせを届けたい場合に向いている。
- 社外のユーザーに向けて情報発信する場合にも使える。
【ハブサイト】
- 複数のサイトを互いにリンクさせる中継点(ハブ)の役割を持ったサイト。
- 各チームサイトやコミュニケーションサイトへのアクセスをスムーズにする。
- SharePointで作成したすべてのサイトが一覧表示され、そこからそれぞれ必要なサイトにアクセスできる。
サイトの全体像
SharePointのサイトは、「ドキュメントライブラリ」「ページライブラリ」「リスト」の3つから構成されています。
【ドキュメントライブラリ】
- Word、Excel、PowerPoint、PDF、PNGなどの文書・画像ファイルを保管できる機能。
【ページライブラリ】
- サイト内の「ページ」「ニュース」といったWebページを保管できる機能。
ページは、あらかじめ用意されているテンプレートや、テキスト・画像・リンク・ボタンなどの「Webパーツ」と呼ばれるコンテンツを組み合わせ、ノーコードで簡単・お手軽に作成できる。
【リスト】
- 「アイテム」と呼ばれるデータをExcelのような表形式で管理できる機能。

ドキュメントライブラリは「ファイル管理」、ページライブラリは「Webページ管理」、リストは「データ管理」と、用途に応じて使い分けることで、業務の効率化を図ることができます。
ファイル共有・共同編集
SharePointのサイト内では、「ドキュメントライブラリ」という単位でさまざまなファイルを保存し、全社またはチームで共有・管理することができます。
SharePointのストレージ容量は「基本容量1TB+10GB×ユーザー数」、アップロードできるファイルのサイズ上限は1ファイルあたり250GBのため、かなりサイズが大きいデータでも問題なく保存できます。
なお、SharePointのサイトにアップロードされたドキュメントや画像などのデータは、複数人で同時に閲覧・編集できます。
使うソフトによっては、他のメンバーが編集している間はロックが掛かり作業できない場合がありますが、SharePoint上にあるファイルは複数人で共同編集が行えるため、作業を効率良く進められます。
ファイルには常に最新のデータが反映されるため、例えばオンラインミーティング中に話を進めながらその場で資料に変更を加え、参加者全員がリアルタイムで更新内容を確認するといった使い方もできます。
リモートワーク下でメンバー同士が共同で作業するような場面では、特に重宝する機能です。
ワークフローの構築
SharePointでは、従来の紙ベースで行っていたアナログな申請や承認をデジタル化・自動化し、システム上ですべて完結するワークフローを構築することができます。
簡単なワークフローなら、テンプレートを活用してすぐに導入できるのも魅力の1つです。
これにより、日々の業務効率化やミスの削減、業務フローの簡素化などが実現でき、申請者と承認者双方の負担や手間を大幅に軽減できます。
さらに、Microsoft社が提供する自動化ツール「Power Automate」と連携すれば、細かなカスタマイズや独自のワークフロー作成も可能です。
SharePoint上で構築できるワークフローとしては、主に次のようなものがあります。
承認ワークフロー
「承認ワークフロー」は、SharePointに保存されているドキュメントを特定のユーザーやグループに回覧し、承認を依頼するためのワークフローです。
SharePointのワークフローの中で最も多く利用されており、事前に承認者や回答期限などを設定してドキュメントを回覧し、必要なメンバーからの承認を得ます。
ドキュメントはいつでも・どこでも確認が可能で、承認済み/未承認のメンバーを明確にできるほか、非承認となったタイミングで処理を打ち切り、承認プロセスを合理化できるのも特徴です。
フィードバックの収集ワークフロー
「フィードバックの収集ワークフロー」は、SharePointに保存されているドキュメントを特定のユーザーに回覧し、内容についてのフィードバックを募るためのワークフローです。
得られたフィードバックは、集計された後に校閲記録とともにフィードバックを依頼したユーザーへと自動送信されます。
特に、多くのフィードバックを必要とする新人教育では大いに活用できる機能です。
署名の収集ワークフロー
「署名の収集ワークフロー」は、WordやExcelで作成されたドキュメントを特定のユーザーに回覧し、閲覧者からデジタル署名を集めるためのワークフローです。
システム上で簡単に署名が完了するため、紙媒体にハンコを押してもらって回収するという物理的な手間が省け、リモートワーク中の社員に対しても簡単に署名を求めることができます。
誰が署名したのか一目で確認できるため、署名を終えていないメンバーがいれば速やかに確認を促すこともできます。
3段階の状態管理ワークフロー
「3段階の状態管理ワークフロー」は、タスクの状況を「アクティブ」「レビューの準備」「完了」の3段階で管理できるワークフローです。
- アクティブ:タスクを割り当てた状態
- レビューの準備:担当者がタスクを処理し、承認を求めている状態
- 完了:管理者が承認し、タスクが終了した状態
この機能により、一目で各タスクの進捗状況を把握し、同時並行で進んでいる複数のタスクを効率的に管理・追跡できます。
発行の承認ワークフロー
「発行の承認ワークフロー」は、SharePoint上で作成したWebページの発行を細かく管理するためのワークフローです。
基本的な流れは「承認ワークフロー」と同じで、コンテンツ発行の前に必要な承認を得るために使用されます。ワークフロー内のすべての承認者によって承認されるまで、新しいコンテンツは発行できません。
さらに、「CC」機能を利用して、決裁権は無いものの承認の内容を知らせておきたいメンバーにも通知が可能です。
情報の全文検索
SharePointには、ドキュメントライブラリやサイト内にある情報を一括で検索できる機能が備わっています。
ファイルのタイトルだけではなく、ファイル内に書かれている文字やファイル作成者・変更者の名前、ファイルの種類なども検索対象となるため、ちょっとした手がかりさえあれば、目的のファイルをすぐに見つけることができます。


オンプレミスサーバーの場合は、データ容量が大きかったり、ハード面のスペックが低かったりすると、検索に非常に時間がかかって業務効率が低下しがちでした。
対してSharePointの場合は、使用容量やPCスペックに関わらずスムーズに検索結果が返ってくるため、ファイル探しの時間を大幅に短縮することができます。
リストの作成
SharePointには「リスト」と呼ばれる機能があり、顧客の連絡先やアンケート調査の結果など、さまざまな情報をExcelのようにデータを表にして管理することができます。
リストはファイルと同様、複数人で同時にアクセスしてデータを閲覧・編集できるほか、下記のような機能を備えており、Excelに似た使い心地で違和感なくスムーズに活用できます。
- ビュー機能:
特定の条件に合うデータだけが表示されるように、リストの見た目(表示形式)を自由に変更できる機能。 - フィルター機能:
特定の条件でデータを絞り込んで表示できる機能。 - 並べ替え機能:
昇順・降順でデータを整理できる機能。 - グリッドビューでの編集機能:
複数の項目を一括で変更できる機能。
SharePointのリスト機能は、それ自体を単体のアプリとして進化させてできたMicrosoft 365アプリの1つ、「Microsoft Lists」と連動しています。
SharePointのサイトにアクセスしなくても、リスト機能だけを手軽に利用できるようになった「Microsoft Lists」の使い方については、以下の記事をご参照ください。
アンケートの作成
SharePointのリスト機能を活用し、用途に合わせて簡単なアンケートを作成することもできます。
アンケートは、テキスト(1行/複数行)、選択肢(ラジオボタン/ドロップダウンメニュー/チェックボックス)、評価スケールなど、さまざまな回答形式が用意されており、必須項目や文字数制限などの設定も任意で追加できます。
集計はリストのビュー機能を活用し、すべての回答を一覧表示したり、特定の条件で絞り込んだ結果を表示できるほか、Excelにエクスポートして詳細な分析を実施することも可能です。
なお、アンケートの作成は、SharePointと同じくMicrosoft 365アプリの1つである「Microsoft Forms」でも行うことができます。
Formsで作成したアンケートは、SharePointの「ページ」に埋め込むことが可能です。
ドラッグ&ドロップによる直感的な操作で、誰でも簡単にアンケートやクイズを作成でき、集計作業もほとんど手間がかからないことから、初心者の方でも扱いやすい点が魅力となっています。
詳しい使い方については、以下の記事をぜひご参照ください。
予定表の作成
SharePointには、リストやWebパーツを活用してサイト上にカレンダーを表示させ、一目で自分や他メンバーの予定を把握したり、チーム全体のスケジュールを共有できる便利な機能があります。
複数人で協力しながら進めなければならない業務がある場合は、サイト上に新しいカレンダーを用意し、ミーティングの予定やタスクの期限などを登録していくことで、共同作業をスムーズに進行できます。
また、SharePointの予定表は、Outlookのカレンダーとも連携可能です。
- Outlook上からSharePointの予定表を確認できる
- SharePointの予定表をOutlook上で編集すると、変更が自動的にSharePoint側にも反映される
- OutlookカレンダーとSharePoint予定表を並べて表示し、個人とチームの予定を同時に把握できる
- SharePointの予定表に対して、Outlookのリマインダー機能を利用できる
といったさまざまなメリットがあり、スケジュール管理をよりスムーズに行えるようになります。
ファイルのバージョン管理
SharePointでは、ドキュメントライブラリに保存されたファイルやリスト内のデータに対し、バージョン管理を行うことができます。
誰が、いつ、どのように変更したか、変更履歴が自動的に記録されるほか、誤ってデータを更新・削除してしまい元に戻したい場合でも、履歴をさかのぼって過去のバージョンに復元することもできるので安心です。
なお、履歴は最大500件保持できます。
バージョン管理機能は、ドキュメントライブラリではデフォルトで有効になっていますが、リストではデフォルトで無効になっているため、リストのみ手動での設定が必要です。
Microsoft製品との連携
SharePointはMicrosoft社の製品ということもあり、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams、OneDriveなど、他のMicrosoft製品とサービス間の境目を感じることなくシームレスに連携できる点が大きな特徴です。
すでに業務でMicrosoft製品を活用している場合は、特に連携のメリットを感じられるでしょう。
例えば、SharePoint上でWordやExcelのファイルをそのまま確認・編集したり、Outlookの予定表と連携させたり、Teamsと連携してTeams上からSharePointに保存しているファイルを管理したりするなど、活用の幅を広げてさらなる業務効率化につなげることができます。
4.SharePointのメリット
SharePointの強みやメリットとしては、次の5つが挙げられます。
- Microsoft製品との親和性が高い
- Microsoft社による高度なセキュリティ
- ユーザーごとにアクセス権限の設定が可能
- 時間・場所・デバイスを問わず利用できる
- ノーコードで簡単にカスタマイズ可能
Microsoft製品との親和性が高い
SharePoint最大のメリットは、Microsoft製品との親和性が高く、連携がスムーズに行える点にあります。
多くの企業ではWordやExcelを普段から使用しているため、そのままSharePoint上で簡単に情報共有が進められるほか、日頃からコミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsを使っていれば、Teams上でファイルを共有・編集しながらチャットまたはWeb会議を行えるので、業務効率の改善や業務全体のスピードアップが期待できます。
Microsoft社による高度なセキュリティ
SharePointを含むMicrosoft 製品には、Microsoft社が下記のような万全のセキュリティ対策を施しています。
- 不正アクセス対策
- データ漏えい防止対策
- データ転送時の暗号化
- サイバー攻撃対策
このように、Microsoft社がクラウドサービスに対して最適なセキュリティ対策を行っているので、ユーザーは安心してサービスを利用できるのもメリットの1つです。
ユーザーごとにアクセス権限の設定が可能
SharePointでは、ユーザーやグループごとに誰がどの情報にアクセスできるかを細かく設定できます。
閲覧のみ許可するのか、閲覧だけでなく編集も許可するのか、社外ユーザーへの外部共有も許可するのか、管理者側で厳密にコントロールできることから、内部不正による情報漏えいなどのセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
なお、SharePointでアクセス権限管理を行う際に注意すべきことについては、以下の記事もぜひご参照ください。
時間・場所・デバイスを問わず利用できる
SharePointで作成したファイルはクラウド上に保存されるため、インターネットにつながる環境であれば、基本的にいつでも、どこからでも必要な情報にアクセスできます。
オフィス内にいなくても、外出先や自宅などから時間や場所を問わずファイルにアクセスして情報の閲覧や編集、更新を行えるほか、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末からも利用できるマルチデバイス対応のため、外回りやリモートワークを行っている社員にとっては使い勝手も抜群です。
ノーコードで簡単にカスタマイズ可能
SharePointでは、専門的なプログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップのような直感的な操作で社内ポータルサイトやリストを簡単に作成できます。
また、SharePoint内にあらかじめ豊富に用意されているテンプレートを活用すれば、業務に合ったポータルサイトやリストをスピーディーに作成できます。
5.SharePointのデメリット
SharePointを活用する際に注意したいデメリットは次の通りです。
- デザインのカスタマイズ性が低い
- 詳細なアクセス解析ができない
- コメントに匿名性を持たせられない
デザインのカスタマイズ性が低い
SharePointのポータルサイトは、あらかじめ用意されたテンプレートやパーツの中から自社に合うものを選んで作り上げていく形式のため、デザイン面である程度制約を受けることになります。
「カスタマイズをたくさん加えて、オリジナリティあふれるデザイン性の高いサイトを作りたい」という場合には、SharePointは不向きになる可能性がありますので、その点は導入時に注意が必要です。
逆に、「サイト作りはあまり時間をかけず手軽に済ませたい」「デザインに特にこだわりはなく、シンプルなサイトで十分」という場合には、SharePointを使ったポータルサイトの作成が向いていると言えるでしょう。
詳細なアクセス解析ができない
SharePointでは、過去7日間・30日間・90日間のサイト利用状況データを確認することができます。
サイトの利用状況データは、CSVファイルにエクスポートすることが可能です。
ただし、追跡可能な項目は下記の通りとなっており、簡易的なアクセス解析しか行えない点に注意しましょう。
- 重複しない閲覧者数(ユニークユーザー数)
- サイト閲覧数
- ユーザーあたりの平均使用時間
- 人気のあるコンテンツ
- サイトトラフィック
- 使用デバイス
もし詳細なアクセス解析を行いたい場合には、Googleアナリティクス等の外部ツールをサイト内に設置する必要があります。
コメントに匿名性を持たせられない
SharePointの社内ポータルサイトでは、コミュニケーション機能の1つとして、「いいね!」やコメントをつけることができます。
ただし、SharePoint自体がMicrosoftアカウントでログインして使うことを前提としたサービスのため、誰がどのようにコメントやリアクションを残したのかが一目瞭然となり、利用企業の社風次第ではかえってコミュニケーション不足を引き起こしてしまう可能性があります。
6.SharePointの価格とプラン
SharePointには、単体プランとMicrosoft 365プランの2種類があります。
WordやExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、他のMicrosoft製品も同時に利用したい場合は、Microsoft 365プランを選ぶ方が圧倒的にお得です。
単体プランとMicrosoft 365プランの比較
SharePointの単体プランと、Microsoft 365の最も標準的なプラン「Business Standard」を比較した表は次の通りです。

※最新情報は、Microsoft公式サイトをご確認ください。
SharePointが使えるMicrosoft 365プラン
数あるMicrosoft 365プランの中で、SharePointが利用できるMicrosoft 365の企業向けプランは次の通りです。
【一般法人向け(Businessプラン)】
対象:従業員数300人以下の中小企業
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
【大企業向け(Enterpriseプラン)】
対象:従業員数300人超えの企業(契約人数の制限なし)
- Microsoft 365 F3
- Microsoft 365 E3
- Microsoft 365 E5
各Microsoft 365プランの詳細については、こちらの記事も併せてご参照ください。
7.当社のSharePoint活用事例
最後に、当社コンピュータマネジメントにおけるSharePointの活用事例をご紹介します。
全社ポータルサイト
当社では、全社員がアクセスできる社内の情報共有ポータルサイトをSharePointで構築しています。
最新の社内ニュースや過去記事のアーカイブ、マニュアル・規程類など、社内の重要な情報や資料を1ヵ所に集約し、必要な時にすぐに参照できるようにしています。

- 掲示板:全社員向けに周知された連絡・通達事項がカテゴリーごとに集約されている。
- ファイル管理:社内規程やマニュアル、各種申請フォーマットが閲覧・ダウンロードできる。
- リンク集:社内で利用している各種システムやアプリケーションへのリンクが集約されている。
- ドキュメント:ポータルサイト内で閲覧可能なドキュメント類が集約されている。
- 各種申請:稟議申請や経費申請など、社内申請に関するリンクが集約されている。
- Q&A:社内でよくある質問とその回答(FAQ)が記載されている。
- ポータルサイトについて:ポータルサイトの概要や使い方が記載されている。
- NW管理者へのお問い合わせ:会社PC絡みで何か質問・要望があったり、不具合が生じた場合には、ここから情報システム部門へ連絡できる。
ハブサイト

当社では、SharePointを使ってハブサイト(=複数のサイトを互いにリンクさせる中継点の役割を持ったサイト)も作成しています。
社員が目的のチームサイト(=部署やチーム、プロジェクトごとに情報・ファイルを共有しているサイト)へ素早くアクセスできるように、SharePointにあるすべてのサイトがまとめて一覧表示され、それぞれのサイトへリンクするようになっています。
自分がアクセス権を持っていないサイトは、当然ながらリンクを押下しても参照できないようになっています。
SharePointサイトとTeamsチームの連携
当社では、社内コミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsを利用しています。
日々のチャットはもちろん、Web会議や内線・外線電話もすべてTeamsでカバーしており、ZoomやSlackが乱立していた頃と比べて運用効率が圧倒的に高まりました。
Teamsの嬉しい点としては、SharePointと自動連携していることにあります。


SharePointのサイトはTeamsのチームと対応しており、SharePointサイトにアップロードしたファイルは、対応するTeamsチームの「ファイル」タブから閲覧・編集できます。
一方、Teamsからアップロードしたファイルは、対応するSharePointサイトのドキュメントライブラリに保管されます。
Teamsさえあれば、わざわざSharePointを別枠で開かなくても、ファイルの共有・編集作業をTeamsの中だけで完結できるため、非常に使い勝手が良いと言えます。
SharePointのほかにも、TeamsはさまざまなMicrosoft 365アプリや外部ツールと連携できます。詳しくは以下の記事をご参照ください。
Viva Connections(ビバ コネクションズ)
当社では、Teamsの拡張機能「Viva Connections」(ビバ コネクションズ)を活用して、SharePointの全社ポータルサイトから発信されたニュースやお知らせをTeamsから閲覧できるようにしています。
SharePointのポータルサイトに最新のニュースが投稿されると、全社員のTeamsにリアルタイムで通知が届き、Teams上からそのままニュースの内容を確認できるため非常に便利です。

8.SharePoint以外の便利なMicrosoft 365アプリ
Microsoft 365では、SharePoint以外にもさまざまなアプリケーションを利用できます。
代表的なアプリの使い方を別記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
■Microsoft Teams:チャット
■Microsoft Forms:フォーム作成
■Microsoft Planner:タスク管理
■Microsoft Lists(SharePointリスト):リスト管理
■Power Automate:定型業務の自動化
■Microsoft Access:データベース管理
■Microsoft Loop:リアルタイム共同作業
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。