
Microsoft 365の一般法人向けBusiness StandardプランやBusiness Premiumプラン、大企業向けのE3・E5プランなどで利用できる「Microsoft Loop」というアプリをご存知でしょうか?
Microsoft Loopは、2023年11月にMicrosoftによって商用向けに正式リリースされた新しいコラボレーションツールです。
とりわけ「リアルタイムコラボレーション」に優れており、Word・Outlook・Teamsなどの各種Microsoft 365アプリと連携し、チーム内でのスムーズな情報共有や共同編集を実現できます。
そこで今回は、
- Microsoft Loopがそもそも何なのか分からない・・・
- Microsoft Loopの利用を検討しているが、使い方がよく分からない・・・
という方向けに、Loopの特徴や主な機能、具体的な使い方、活用方法などを画像付きで詳しく解説していきます。
Microsoft Loopを上手く活用し、業務効率化を図りたいとお考えのMicrosoft 365ユーザーの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.Microsoft Loopとは?
Microsoft Loopとは、2023年11月に一般提供が開始された、チーム内でのリアルタイム共同作業を可能にする新しいコラボレーションツールです。「Microsoft版のNotion」とも言われています。
Word、Outlook、Teamsなどの各種Microsoft 365アプリと連携しながら、組織やチームの情報を1ヵ所に集め、リアルタイムで共有・編集できるのが特徴です。
チャット、メール、会議、ドキュメントなど、どこでデータを扱っているかに関わらず、各メンバーが行った編集の内容はリアルタイムで同期され、常に最新の状態が維持されます。
例えば、マニュアル等の社内資料をLoopで作成しておけば、Loop内ですべて情報収集が完結するため、WordやPowerPointで資料を作成し、SharePointにまとめて保管していた場合と比べて、資料をわざわざ探す・開く手間が減り、業務効率が一気に高まります。
そのほか、Microsoft Loopには、記載された情報に対してメッセージを送付したり、絵文字やGIFで気軽にリアクションするなど、チーム内のコミュニケーションを助ける機能も備わっています。
Loopが含まれるMicrosoft 365プラン
Microsoft Loopを利用するには、下記いずれかのMicrosoft 365法人向けプランを契約している必要があります。
【一般法人向け】
- Microsoft 365 Business Standard(Teamsあり):
¥1,874/ユーザー/月 ※年払い - Microsoft 365 Business Standard(Teamsなし):
¥1,536/ユーザー/月 ※年払い - Microsoft 365 Business Premium(Teamsあり):
¥3,298/ユーザー/月 ※年払い - Microsoft 365 Business Premium(Teamsなし):
¥2,961/ユーザー/月 ※年払い
【大企業向け】
- Microsoft 365 E3(Teamsなし):
¥5,059/ユーザー/月 ※年払い - Microsoft 365 E5(Teamsなし):
¥8,208/ユーザー/月 ※年払い
「Microsoft 365 Personal」や「Microsoft 365 Family」など、個人・家庭向けのプランでは残念ながら提供されていませんが、個人でMicrosoftアカウントを持っている場合は、Microsoft Loopのプレビュー版を無料で使用することができます。
なお、各プランの詳細について知りたい方は、こちらの記事もぜひご参照ください。
LoopとOneNoteの違い
Microsoft LoopとOneNoteは、どちらも情報の整理や共有を目的としたツールですが、Microsoft Loopは「チームでの共同作業」、OneNoteは「個人での情報整理・メモ」に主眼に置いたサービスと言えます。
Microsoft Loopは、「最新情報のリアルタイム共有」と「複数アプリ間におけるデータの整合性維持」に強みを持ちます。
「Loopコンポーネント」と呼ばれる部品を、Word、Outlook、Teamsなどの各種Microsoft 365アプリに埋め込めば、どのアプリから編集を行ったとしても、同じコンポーネントが埋め込まれたすべてのアプリで即座に変更が反映され、Loop上にある元データは常に最新の状態に保たれます。
一方OneNoteは、どちらかと言えば「情報の蓄積・整理」に強いツールです。
「ノートブック」→「セクション」→「ページ」という3つの階層構造で情報を体系的に整理し、手書き、画像・音声入力、PDF添付など、テキストに限らず自由な形式で情報を保存していくことができます。
OneNoteは、個人でのメモ取りのほか、チーム内での長期的なナレッジ共有の場としても活用できます。
ただし同期に時間がかかり、Microsoft Loopほどリアルタイムでの共同編集には向かないため注意しましょう。
LoopとNotionの違い
Microsoft LoopとNotionは類似のツールであり、どちらも「チームの共同作業」と「情報の一元管理」を目的とした製品ですが、Loopは「Microsoft 365アプリとの連携」が強みと言えます。
Loop上にあるデータからはもちろん、OutlookのメールやTeamsのチャットに埋め込まれた「Loopコンポーネント」からもリアルタイムで共同編集を行い、常に最新の情報をチームメンバー間で共有できます。
一方Notionとは、情報整理、タスク管理、プロジェクト管理、データベース作成など、さまざまな用途で使える万能のクラウド型アプリケーションです。
Loopと同じく、複数人でのリアルタイム編集が可能で、チームでの共同作業をスムーズに進められます。
Notionは、オフィス業務に必要な機能が1つにまとまったオールインワンタイプのクラウドツールで、「豊富な機能」と「カスタマイズ性の高さ」が強みですが、多機能であるがゆえに使い方に悩むケースも多いようです。
2.Microsoft Loopの特徴・メリット
Loopの特徴・メリットとしては、次のようなものがあります。
- リアルタイム共同作業の強化
- Microsoft 365製品とのスムーズな連携
- 情報の一元管理・可視化
リアルタイム共同作業の強化
Microsoft Loopでは、メンバー同士が離れた場所にいたとしても、まるで全員が同じ部屋にいるかのように、いつでもどこでも共同作業を行える点が魅力の1つです。
複数のメンバーが同時に編集でき、更新内容もすぐにリアルタイムで反映されるため、情報が分散したり古くなってしまうリスクを大幅に低減します。
また、Loop上にあるデータに対し、リアルタイムでコメントや絵文字・GIFによるリアクションを残せるため、離れていても自然につながり、一緒に作業している感覚を得られます。
仮に、作業時間が合わない場合や途中からの参加であっても、Loop上でいつでも最新の情報を確認でき、情報共有のタイムロスを原因とした作業の遅れも防げます。
Microsoft 365製品とのスムーズな連携
Microsoft Loopでは、Loop上にある情報を「Loopコンポーネント」で部品化し、OutlookやTeamsなどのMicrosoft 365アプリ上にリアルタイム表示させることができます。
OutlookやTeams等に埋め込まれた「Loopコンポーネント」は、参照のほかに編集も可能で、編集内容はコンポーネントが埋め込まれたすべてのアプリ間で常に同期されるほか、Loop側の元データに自動でリアルタイム反映されます。
「Loopコンポーネント」を利用すれば、同じコンポーネントが埋め込まれたどのアプリからも常に最新の情報を確認し、共同作業を行うことができます。
情報の一元管理・可視化
チーム内で情報がバラバラに保管・管理されていると、必要なデータを探すのに時間がかかったり、古い情報をベースとして作業を進めてしまうリスクがあります。
加えて、同じ情報が複数の場所に保存されていると、データの整合性や一貫性が崩れたり、ストレージの容量が無駄になってしまいます。
Microsoft Loopなら、部署やチーム、プロジェクトごとに必要なファイル、リンク、他のアプリからのデータを1つのワークスペースに集約し、整理することができるため、情報の散逸や重複の防止に役立ちます。
さらに、Loop内で使える「表」「チェックリスト」「タスクリスト」「かんばんボード」「投票テーブル」などの要素を駆使すれば、情報をより分かりやすく整理できます。
3.Microsoft Loopの主要な3つの機能
Loopは、主に次の3つの機能から成り立っています。
- Loopワークスペース
- Loopページ
- Loopコンポーネント
1つのLoopワークスペースの中に複数のLoopページがあり、Loopページの中に複数のLoopコンポーネントがあるイメージです。
Loopワークスペース

「Loopワークスペース」は、プロジェクトやチームごとの情報を一元管理するための共有スペースのことです。
チームで必要なファイルや作業中のタスク、進捗状況など、あらゆるコンテンツを一覧・グループにして表示できます。
ワークスペースにチームメンバーを招待すれば、情報の共有はもちろんのこと、リアルタイムでの共同作業や、コメント・絵文字などを使ったメンバー同士のスムーズなコミュニケーションも実現できます。
ワークスペース内には常に最新の情報が集約されているため、途中からワークスペースに参加した場合でも、すぐにプロジェクトの全体像や進行状況を把握し、効率的に作業を進めることができます。
メンバーの追加も簡単に行えるため、チームの規模に応じた柔軟な運用が可能です。
Loopページ

「Loop ページ」は、ワークスペース内に設けるキャンバスページ(作業用ページ)のことです。
「Loop ワークスペース」が複数のユーザーで情報を共有するための場所だとすれば、「Loop ページ」は情報を追加・整理していく作業スペースと言えます。
ページ内には、白いキャンバスに載せるようにテキストや画像、表、リンクなどのさまざまな要素を自由に挿入・配置でき、チームでリアルタイムに共同編集も行えます。
ページを作る際は、空白のページを作成して一から情報を記載していくほかに、あらかじめ用意されたテンプレートから選択して作成を進めることもできます。
なお、各ページは基本的に独立していますが、ページ間のリンクを簡単に作成できるため、関連情報にすぐアクセスすることが可能です。
Loopコンポーネント

「Loopコンポーネント」は、Microsoft Loopの中核とも呼べる機能で、Loopページの内容の一部を部品化し、TeamsやOutlookなどの別サービスに貼り付けて、リアルタイムで共有・編集可能にする機能のことです。
他のアプリ上に貼り付けられたコンポーネントは、共有されているすべての場所で同期が維持されるため、貼り付けた場所に関係なく、どこから編集を行っても大元となるLoopページ上のデータが更新されます。
例えば、TeamsのチャットとOutlookのメールに同じコンポーネントを挿入した場合、Teams上にあるコンポーネントを編集するだけで、Outlook上のコンポーネントにも、Loopページ上の元データにも、変更内容がリアルタイムで反映されます。
この「Loopコンポーネント」機能により、各アプリ間で情報の重複やズレを防ぎ、常に最新のデータをチーム内で共有することができます。
なお、Loopコンポーネントを貼り付け可能なMicrosoft 365アプリは次の通りです。
- Microsoft Teams(チャネル・チャット・会議)
- Outlook
- OneNote
- Web用Word(※デスクトップ版は不可)
- Whiteboard
挿入できるコンテンツの種類
LoopページまたはLoopコンポーネントでは、「/」(スラッシュ)を入力すると、さまざまなテンプレートや装飾設定を挿入できます。
それぞれどのようなテンプレートなのか、簡単にご紹介していきます。
【全般】
項目
表
チェックリスト
箇条書き
段落番号
日付
コールアウト
コード
Mermaid
数学の方程式
目次
分割バー
インライン式
説明
行×列のテーブル形式で情報を整理します。
タスクやTo Doを管理します。
リスト形式で情報を整理します。
番号付きリストを作成します。
カレンダーから期限などを設定します。
重要な情報を強調表示します。
プログラムコードを専用フォーマットで表示します。
フローチャートやシーケンス図などを作成します。
数式を記述します。
ページ内の見出しを一覧表示します。
文章の途中に区切り線を入れます。
文章の中に簡単な数式やコードを挿入します。
【テキスト】
項目
段落(本文)
見出し1, 2, 3
折りたたみ可能な見出し1, 2, 3
引用文
インラインコード
説明
通常のテキストを入力します。
文章の階層を整理します。
長い文章を折りたたんで整理します。
引用であることを強調します。
文章内にコードを埋め込みます。
【テンプレート】
項目
タスクリスト
投票テーブル
進行状況トラッカー
かんばんボード
チームの振り返り
Q&Aセッション
説明
タスク内容、担当者、期限を設定します。
チーム内で意見を集め、意思決定を行います。
プロジェクトやタスクの進捗を可視化します。
タスクをカード形式で管理します。
プロジェクト終了後のフィードバックを整理します。
質問と回答をまとめます。
【コミュニケーション】
項目
@ユーザー
絵文字ピッカー
ラベル
説明
特定のメンバーに通知を送ります。
絵文字によるリアクション表現を追加します。
カテゴリー分けやタグ付けをします。
【メディア】
項目
画像
ビデオの録画
説明
写真やイラストを追加します。
動画を録画して埋め込みます。
【Microsoftアプリ】
項目
GitHub
Planner
説明
コード管理ツール「GitHub」と連携します。
タスク管理ツール「Planner」と連携します。
【その他のアプリ】
項目
Jira
Trello
説明
プロジェクト管理ツール「Jira」と連携します。
タスク管理ツール「Trello」と連携します。
4.LoopにおけるCopilotとは?
Microsoft Loopでは、Microsoftの生成AI「Copilot」も利用でき、チームのコラボレーションや情報整理をよりスムーズに進めることができます。
【LoopにおけるCopilotを使って実現できる例】
- コンテンツの下書きを生成する
- 既存のコンテンツを書き換える
- コンテンツの内容を要約する
- アイデアを提案・整理してもらう
ただし、Loopで「Copilot」の機能を使えるのは、Loopが含まれているMicrosoft 365法人向けプランに加え、有料の「Microsoft 365 Copilot」プランを追加契約しているユーザーのみに限ります。
5.Microsoft Loopの始め方
Microsoft Loopの利用を開始するには、Microsoft Loopのホームページにアクセスするか、PCのデスクトップアプリまたはスマートフォンアプリ(iOS/Android)をダウンロードし、Microsoftアカウントでサインインする必要があります。
6.Microsoft Loopの使い方
ここからは、Microsoft Loopの基本的な使い方を画像付きで詳しく解説していきます。
STEP1:Loopワークスペースを作成する
ブラウザからMicrosoft Loopを使用する場合は、Microsoft Loopの公式サイトにアクセスし、「開始」をクリックします。

Microsoftアカウントでサインインすると、Microsoft Loopのホーム画面が開きます。
まずは、情報を一元管理し、チームで共同作業を行うためのワークスペース(共有場所)を作成していきます。
ホーム画面の「+新しいワークスペース」をクリックしましょう。

ワークスペースの作成画面が表示されるので、任意のワークスペース名とアイコン、カバー画像を設定し、「続行」をクリックします。
なお、この段階でチームメンバーに対し、ワークスペースへの招待メールを送信することもできます。(一旦スキップし、後から招待することも可)

ワークスペースに追加するファイルを選択できます。
特に追加しない場合は、そのまま「作成」をクリックします。

新しいワークスペースが作成されました。
最初はあらかじめ無題のページが作られています。

ワークスペースのタイトルやアイコン、カバー画像を編集したい場合は、ホーム画面の「・・・」から「名前の変更とスタイル」をクリックします。

ワークスペースにメンバーを招待したい場合は、ワークスペース内の人間マークからいつでも行えます。(※ホーム画面の「・・・」→「メンバー」からも可能)
ワークスペースに招待されたメンバーは、ワークスペース内にあるすべてのページにアクセスできます。

STEP2:Loopページに情報を入力する
新しくページを追加する場合は、画面左上の「新規作成」→「ページ」をクリックするか、ページ一覧の最下部にカーソルを合わせ、「新しいページの作成」をクリックします。
なお、ワークスペースの作成直後は、デフォルトで新しく無題のページが作成されています。


ページを開き、まずは「無題」の部分にタイトルを入力しましょう。

ページにアイコンやカバー画像を設定したい場合は、「追加アイコン」または「カバーの追加」をクリックします。


「入力を開始してください」と表示されている箇所から、文章などのコンテンツを自由に追加していきます。

「/(スラッシュ)」を入力すると、表やタスクリスト、画像といったさまざまなテンプレートを挿入できます。

「@(アットマーク)」を入力すると、特定のユーザー宛てにメンションができます。

「:(コロン)」を入力すると、ページ内に絵文字を追加できます。

入力した文章の上で右クリックすると、文章の装飾メニューが表示されます。

例えば、装飾メニューにある「H1」「H2」「H3」タグにより、見出しの大きさを変えることができます。目次の作成に便利です。

文章の左横に表示される「点」マークをクリックすると、ページ内のコンテンツごとに、コメントや絵文字によるリアクションを付けることができます。

さらに、左横の「点」マークをドラッグ&ドロップすれば、ページ内にあるコンテンツの位置を自由に移動させることができます。

ページ下部の「テンプレートギャラリー」からは、ページの作成に役立つテンプレート一覧を表示できます。

STEP3:Loopコンポーネントで共有する
作成したページを他のメンバーに共有する場合は、画面右上の「共有」をクリックします。
共有方法としては、主に次の3種類があります。
- ワークスペース:ワークスペースにメンバーを招待し、ワークスペース内にあるすべてのページにアクセス可能とする
- ページリンク:共有するページへのみアクセス可能とする
- Loopコンポーネント:共有するページをLoopコンポーネント化し、TeamsのチャットやOutlookのメールなどに貼り付ける

「ページリンク」または「Loopコンポーネント」を選択すると、自動的にリンクがコピーされます。共有設定を行う場合は右の「設定」をクリックします。

設定画面では、共有の範囲や編集権限、リンクの有効期限を設定できます。

コンテンツの編集を許可する場合は「編集可能」、閲覧のみに限定したい場合は「表示可能」を選択しましょう。

ページ内容の一部を部分的に共有することもできます。
共有したいコンテンツの左横に表示される「点」マークから、「Loopコンポーネントの作成」をクリックしましょう。

該当箇所が囲まれたら、Loopコンポーネント化は完了です。
なお、現時点ではLoopコンポーネントを解除する方法はなく、一度Loopコンポーネント化したコンテンツを通常のテキストに戻したい場合は、該当箇所をコピペして元に戻す必要があります。

Loopコンポーネント化の完了後、囲み右上の「コンポーネントのコピー」アイコンをクリックすると、共有リンクを取得できます。


取得したリンクをTeamsのチャットに貼り付けると、メッセージ上に直接Loopコンポーネントが表示されます。

囲み右上にある四つ葉の「共有場所」アイコンをクリックすると、該当のコンポーネントをMicrosoft製品上のどこに共有したかが一覧で表示されます。

人間の形をしたアイコンをクリックすると、該当のコンポーネントにアクセスできるメンバーの一覧が表示されます。

試しにTeams上でLoopコンポーネントを編集してみると、その内容がリアルタイムでLoopページ側にも反映されているのが確認できます。
複数人の場合、誰がどの部分を編集しているのかもすぐに分かります。


Loopページの画面右上にある「・・・」から「バージョン履歴」をクリックすると、これまでの編集履歴が確認でき、必要に応じて古いバージョンのページを復元することができます。
誤ってコンテンツを変更・削除してしまった場合でも安心です。


番外編:Teams上でのLoopの使い方
Loopコンポーネントは、Teamsのチャット上から直接作成することもできます。
チャットのメッセージ入力欄にあるLoopアイコンをクリックします。

Loopコンポーネントが作成されるので、本文を入力したり、「/」(スラッシュ)からテンプレートを挿入するなどして、自由にコンテンツを追加します。

作成したLoopコンポーネントをチャットに送信すれば、そのチャットに参加しているメンバーとリアルタイムで共同編集が可能です。

Teamsのチャット上から作成されたLoopコンポーネントは、ブラウザのLoopページにも反映されているほか、送信者のOneDrive「Microsoft Teams Chat Files」フォルダに「.loop」という拡張子のファイルが保存されます。


TeamsのチームやチャネルにLoopコンポーネントを投稿した場合、対応するSharePointサイトのドキュメントライブラリに「.loop」という拡張子のファイルが保存されます。

そのほか、Teamsでは会議の招集時や会議中にもLoopページを作成することができます。
会議招集時
Teamsで新しく会議を設定する際に、「新しいイベント」画面から「予定一覧を追加する」をクリックします。

「会議のメモ」というタイトルのLoopページが作成され、事前に議題などを設定することができます。タイトルをクリックすると、ブラウザでLoopページが開きます。
会議に招待されたメンバーは、会議が始まる前にこのメモを確認・編集できるほか、当日会議が始まると、このメモが画面の右側に表示され、参加者全員がリアルタイムで確認・編集を行えます。


会議中
Teams会議が始まった後、会議画面上部の「メモ」をクリックすると、新しくLoopページが作成され、画面右側に表示されます。
「メモ」は会議の参加者であれば誰でもクリックでき、作成されたLoopページに対しては、他の参加者も自由に編集できるようになります。

ブラウザでLoopページを開くには、「・・・」から「Loopで開く」をクリックします。


会議招集時に作成したLoopページは、開催者のOneDrive「会議」フォルダに、会議中に「メモ」をクリックして作成したLoopページは、作成者のOneDrive「会議」フォルダに、「.loop」という拡張子のファイルとしてそれぞれ保存されます。

7.Microsoft Loopの活用事例
最後に、Microsoft Loopの主な活用事例を5つご紹介します。
- プロジェクト管理
- 会議の議事録作成
- アイデアの共有
- 社内でのナレッジ共有
- マニュアル作成
プロジェクト管理
Microsoft Loopを活用すると、タスクの整理や進捗状況の可視化、情報共有などをリアルタイムで行えるため、プロジェクト管理を効率良く進めることができます。
具体的には、次のような活用方法が考えられます。
- プロジェクト概要・目的の共有
新しいプロジェクトを始める際に、プロジェクトの概要・目的、スケジュール、予算、メンバーの役割・連絡先、関連するファイル・リンクなど、必要となる情報をLoopで1ヵ所にまとめておくと、チーム内での認識のズレをなくし、効率的にプロジェクトを進められます。
- チームのタスク・進捗状況の管理
Loopのテンプレートである「タスクリスト」を活用して、タスクの内容・担当者・期限・優先度などを明らかにしたり、「進行状況トラッカー」、「かんばんボード」などを活用し、リアルタイムで進捗状況を更新することで、チーム全体の状況を常に把握できます。
- プロジェクトで得られた知見や事例の共有
Loopのテンプレートである「チームの振り返り」を活用して、プロジェクト完了後のコメントやフィードバックを記録したり、過去のプロジェクトにおける成功事例や注意点を明文化し、今後の活動の参考にするなど、プロジェクトで得られた知見を蓄積する場としても活用できます。
会議の議事録作成
Microsoft Loopを活用すると、議事録の準備から作成、共有、追記・修正までのプロセスを効率化でき、作業時間の短縮や品質の向上につなげられます。
具体的には、次のような活用方法が考えられます。
- 会議の準備・記録
事前にLoopでアジェンダを作成し、TeamsやOutlookで参加者に共有できるほか、会議中にリアルタイムで議事録を更新し、メンバー全員がその場で内容をすぐに確認できます。
- 議事録作成の効率化
Loopは複数人でのリアルタイム共同編集が可能なため、Teamsの会議中にアジェンダを記したLoopコンポーネントを用意しておけば、議事録作成担当に限らず、参加者全員が会議に参加しながらリアルタイムでメモを追記でき、後からの修正を最小限に抑えられます。
- 会議後のフォローアップ
会議後に議事録の追記・修正が必要な場合はすぐに編集が行えるほか、変更内容は即座に反映されるため、会議の参加者はもとより、欠席者も常に最新情報を把握できます。
また、会議中に決まったタスクはすぐにLoopの「タスクリスト」に追加し、担当者や期限を設定することで、タスクの抜け漏れを防ぎ、後からリマインドを行いやすくなります。
アイデアの共有
Microsoft Loopを活用すると、チーム内でアイデアをリアルタイムに共有・整理し、効果的な意思決定を行うことができます。
具体的には、次のような活用方法が考えられます。
- アイデアの共有と発展
リモートワーク環境下であっても、各メンバーがLoop上へ自由にアイデアを書き込み、リアルタイムで共有できます。
また、他メンバーが出したアイデアに対しコメントを追加して、さらにアイデアを発展させたり、集まったアイデアを表やリストを用いて整理することで、議論の方向性を明確化し、効率的な議論を促せます。
- 投票機能の活用
Loopのテンプレートである「投票テーブル」を活用して各メンバーに投票してもらい、票数を多く集めたアイデアを優先的に検討することで、よりスムーズな意思決定が可能です。
社内でのナレッジ共有
Microsoft Loopを活用すると、個人が持つノウハウや業務で得た知見をスムーズに蓄積・共有できるようになるほか、社内に散在しているナレッジを一元管理できるため、業務効率化や意思決定のスピード向上につながります。
- ノウハウの蓄積
社員が業務や研修を通じて得た知識・経験・教訓などを共有するための場として、「業務ノウハウ集」「現場の知恵袋」「学びの記録」といったタイトルでLoopワークスペースを作成しておけば、情報を簡単に追加・共有でき、他の社員にも自らの学びを役立ててもらうことができます。
- 新人研修・育成への利用
マニュアルや研修資料、参考サイトへのリンクなどをLoop上にまとめておくことで、新しいプロジェクトメンバーが増えた場合でも簡単にOJTを行えるほか、資料がアップデートされたとしても、タイムラグなしでいつでも最新の情報にアクセスできます。
マニュアル作成
Microsoft Loopを活用すると、マニュアルや手順書の作成・更新がスムーズに進み、情報の管理をより効率化できます。
- ドキュメント更新作業の効率化
マニュアルの共通部分(手順のフォーマットや注意事項など)をコンポーネント化しておけば、別のマニュアル作成時にも簡単に流用できます。
更新が必要な場合は、そのコンポーネントを修正するだけで、関連するすべてのドキュメントに変更が反映されるため、作業効率が高まります。
- 最新バージョンの保持
変更が多いマニュアルや手順書であったとしても、Loopなら誤って古いバージョンを共有してしまう心配はなく、常に最新版を保持できます。
- リアルタイム共同編集による品質の保持
Loopでは、複数のメンバーがリアルタイムで1つのドキュメントを編集できるため、作業の矛盾や重複を防ぐことができます。
- 柔軟なコンテンツ構成
ページやコンポーネントを活用して、テキスト以外にも画像や表などを柔軟に組み合わせ、視覚的に分かりやすい資料を簡単に作成できます。
8.Loop以外の便利なMicrosoft 365アプリ
Microsoft 365では、Loop以外にもさまざまなアプリケーションを利用できます。
代表的なアプリの使い方を別記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
■Microsoft Teams:チャット
■SharePoint:ファイル共有ほか
■Microsoft Forms:フォーム作成
■Microsoft Planner:タスク管理
Microsoft Lists(SharePointリスト):リスト管理
■Power Automate:定型業務の自動化
■Microsoft Access:データベース管理
9.まとめ
いかがでしたでしょうか?
Microsoft Loopは、プロジェクト管理や会議の議事録作成、ブレインストーミング、ナレッジ共有、マニュアル作成といった場面で効果を発揮し、チーム全体の生産性を向上させる可能性を秘めたツールです。
Microsoft 365のBusiness StandardプランやBusiness Premiumプラン、E3・E5プランをご利用中の方は、この機会にぜひMicrosoft Loopを活用してみてはいかがでしょうか。
なお、当社コンピュータマネジメントでは、「情報システム部門の業務効率化に向けて、専門家の視点から具体的なアドバイスが欲しい」と感じている企業様向けに、情シス支援サービス「ION」を行っております。
「どのプランを選べばよいか判断がつかない・・・」
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。