最終更新日:2023年6月7日
「今話題のChatGPTを触ってみたけど、何がそんなにすごいんだろう?」
「便利そうだけど、本当に役立つツールなんだろうか?」
「活用の幅が広すぎて、実際どのように使えばいいのか分からない」
・・・と思ったことはありませんか?
ChatGPTは、使い手が入力する質問によって回答の内容や精度が大きく左右されるAIツールです。
「イマイチ使いこなせていない・・・」と感じるなら、それは質問文の作り方に問題があるかもしれません。
そこで今回は、ビジネスシーンで役立つChatGPTの活用方法と、自分の望む回答を着実に引き出すための質問の仕方のポイントをご紹介します。
「ChatGPTの使い道を持て余している・・・」と感じている方は、この機会にぜひご一読ください。
目次
1.ChatGPTとは
ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのOpenAI社が開発したAIチャットボットのことです。
ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式でAIがすぐに的確な回答を返してくれる便利なサービスとなっています。
2022年11月のリリース以降、その回答精度の高さから利用者が急増しており、公開からわずか2ヵ月で月間アクティブユーザーが1億人を突破するほどの大きな話題となりました。
ChatGPTへの質問次第で、文章作成やプログラミング、アイデア創出といった様々な活用方法が考えられるため、まさに無限の可能性を秘めているツールといえます。
2.ChatGPTの「プロンプト」とは
「プロンプト」とは、私たちユーザーがChatGPTのチャット欄に入力する質問や命令のことを指します。
この「プロンプト」の内容によってChatGPTの生成する回答の質が大きく左右されるため、ChatGPTを上手く活用したいのであれば、自分が思った通りの適切な回答が得られるようにプロンプトの書き方を工夫する必要が出てきます。
3.ChatGPTで出来ること
まずは、ChatGPTにプロンプトを入力することで実現できる主な作業を見ていきましょう。
文章の添削・校正
ChatGPTに対して文章の添削・校正を依頼すると、誤字脱字の発見や文法チェック、より読者に伝わりやすい文章への改善などを行ってくれます。
自分の書いた文章に自信がない時は活用してみると良いでしょう。
翻訳(多言語対応)
ChatGPTは、多言語の翻訳にも対応しています。
例えば、英語で書かれた文章を日本語に訳すようChatGPTに指示すると、自然な表現を交えつつ正確に翻訳を行ってくれます。
なお、ChatGPTの翻訳精度が「Google翻訳」や「DeepL翻訳」のような他の翻訳ツールと比較してどの程度か知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
書類テンプレート作成
ChatGPTに書類テンプレートを作成してもらうことで、自分で一からテンプレートの内容を考える必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮することができます。
アイデア出し(ブレスト)
ChatGPTは、コンテンツのタイトルやキャッチコピーなどのアイデアを出すためのブレスト相手としても活用できます。
アイデアのブラッシュアップ
プロンプト次第では、ChatGPTが一旦出力した内容のブラッシュアップを図ることができます。
下記の例で言えば、ChatGPTに前提として「読者の注目や興味を引けるようなタイトルを考える上で重要なポイント5つ」を認識させ、それらのポイントを踏まえてタイトルを改善するよう段階的に指示を出すことで、より質の高いブラッシュアップを実現しています。
プログラミング
ChatGPTは、プログラミングの質問にも対応しています。
ただし、生成されたコードが正確でないこともあるため、上手く機能するかどうか必ず検証し、必要に応じて修正を行うようにしましょう。
Excel関数の作成
ChatGPTでExcel関数の使い方を聞くと、コピペすればすぐ使えるように数式を表示してくれます。
メール文の作成
ビジネスで使用するメールは文章表現が難しく、いざ自分で考えるとなると時間がかかってしまうものですが、ChatGPTならすぐに適切な本文を考えてくれます。
単純作業の自動化
単語をそれぞれ【】で囲むなど、同じ作業を複数回繰り返したい場合は、ChatGPTに指示すればすべて自動で行ってくれるため、わざわざ自分で1つ1つ入力したりコピペしたりする手間が省けて便利です。
4.ChatGPTで望む回答を得るための質問テクニック
先述の通り、ChatGPTでは私たちユーザーが入力する「プロンプト」の内容によって返ってくる回答の精度が大きく異なってくるため、期待通りの回答を引き出したいなら質問の仕方を工夫しなければなりません。
ここからは、ChatGPTへ質問を行う際に意識したいポイント8選をご紹介します。
具体的な質問をする
ChatGPTは、曖昧で漠然とした質問だと回答の精度が低くなる傾向にあります。
「自分が何を知りたいのか」「どのような情報が欲しいのか」を明確にした上で、できるだけ具体的な質問をするように心がけましょう。
特に、回答の対象を限定したり、その質問をするに至った背景情報を入れたりすることで、より自分の求める形に近い回答を得ることができます。
ChatGPTに「逆質問」させる
具体的な質問をするのがより良い回答を得るためのコツとはいえ、ChatGPTをまだ使い慣れていない方にとっては、「具体的といってもどのように質問すれば良いか分からない・・・」と思う場面も多いのではないでしょうか。
そんな時は、質問文の最後に「回答の質を高めるためにもっと情報が必要な場合は、私に質問をしてください」と入力し、ChatGPTに「逆質問」させてみましょう。
足りない情報を補うための質問をChatGPTに考えさせ、こちらがその質問に対して答えていくことで、欲しい情報を効率良く得られるようになります。
何度も質問を重ねる
ChatGPTはチャット形式のため、前の会話の内容を記憶しています。
そのため、一発目で不明瞭な回答が返ってきてもすぐに諦めず、対人コミュニケーション時と同様に根気よく質問を重ねることで、より自分が欲しい回答に辿り着くことができます。
とは言え、会話の相手はAIですので、実際の人間とのやり取りほど気を遣う必要はありません。
返ってきた回答が腑に落ちなければ、しつこく質問し直しましょう。
大切なのは、思った通りの回答が得られるまで何度も会話を重ね、自らの要望をChatGPTにしっかりと伝えることです。
役になりきって回答してもらう
ChatGPTは、様々なキャラクターになりきって回答を行うことが大得意です。
そのため、ChatGPTに対して「あなたは○○の専門家です」というように特定の役割や立場を与えてから質問することで、短時間で自分の望み通りの回答を得られる可能性が高くなります。
回答条件を細かく指定する
ChatGPTへ質問する際は、先手を打って回答の条件を細かく指定しておくと、より適切な回答を得られやすくなります。
指定できる回答条件としては、主に次のようなものがあります。
・文章スタイル:カジュアルな文章で、ビジネス向けの文章で、小学生にも分かるように
・文字数:100文字以内で、200文字程度で、3行以内で
・回答数:タイトル案を10個挙げて、○○の有名な観光地を5個教えて
・言語:日本語で回答して
・リスト形式:ふるさと納税に必要なステップを番号付きリスト形式で教えて
・テーブル形式:日本の関東にある都道府県とその県庁所在地名をテーブル形式で教えて
なお、万が一回答が途中で止まってしまった場合は、「続きをお願いします」と入力すると続きを書いてくれます。
しかし、1回目と比べると少し精度が落ちてしまうため、回答の文章が長くなりすぎないように文字数は限定しておくと良いです。
1つのトピックに絞って質問する
ChatGPTへの質問は、一度につき1つのトピックに絞るようにしましょう。
複数のトピックを詰め込んだ時よりもかなり具体的な回答を得ることができるほか、質問が多い分回答が長くなって途中で切れてしまわないかと心配せずに済みます。
敬語を使う
面白いことに、ChatGPTでは「キャッチコピーを書け」のような命令形よりも、「キャッチコピーを書いていただけますでしょうか」のような敬語で依頼したほうが、出力に良い影響が出たという実験結果が得られています。
様々なキャラクターになりきって回答を行うのがChatGPTの得意技だという点を踏まえると、敬語を使われたことによってChatGPTが「敬意を払われるべき優秀な人物」として自分自身を格付けしたことが、回答の精度が上がった大きな要因として考えられるでしょう。
良質な回答を得たいなら、ChatGPTを有用な人物として持ち上げるのがポイントといえそうです。
質問のテンプレートを活用する
ChatGPTで上手く回答を得られるプロンプトを作るには、あらかじめ用意されている質問のテンプレートを活用することも効果的です。
代表的な質問テンプレートとして、Note株式会社CXOの深津貴之さんが考案した「深津式汎用プロンプト」があります。
以下を雛形として「#命令書」や「#制約条件」、「#入力文」の内容を調整することで、精度の高い回答が得られるプロンプトが簡単に出来上がります。
【深津式汎用プロンプト】
#命令書:
あなたは、[任意の文章]です。
以下の制約条件と入力文をもとに、[任意の文章]を出力してください。
#制約条件:
・文字数は○○文字程度。
・○○にも分かりやすく。
・重要なキーワードを取り残さない。
・文章を簡潔に。
#入力文:
<ここに文章やURLを貼り付ける>
#出力文:
5.ChatGPTを使う時の注意点
自分にはない新しい着眼点を得たり、思考を深めたりする上で何かと便利なChatGPTですが、人間と同じように決して万能なわけではありません。
ここからは、ChatGPTを活用する際の注意点を2つご紹介します。
必ずしも正確な情報が出てくるとは限らない
ChatGPTの活用にあたり最も注意すべき点は、生成された回答を「信用しすぎない」ことです。
ChatGPTは平然と噓をつくため、内容の真偽は私たち人間が慎重に見定めなければなりません。
一見もっともらしく見える回答でも事実と異なるケースはザラにありますので、少しでも怪しいと感じたら、信頼できる情報源での確認を怠らないようにしましょう。
特に、最新情報やリアルタイム情報に関してはChatGPTの回答は全く当てにならないため、必ず自らの手で情報収集を行い、信憑性を見極めるようにしてください。
会社の機密情報は流さない
ChatGPT は世に出てきてから日も浅く、まだまだ発展途上のツールですので、チャット欄に入力された内容は今後の学習データとして利用される可能性が十分にあります。
そのため、個人情報や企業の顧客情報、営業秘密はChatGPTへ流さないよう徹底しましょう。
情報セキュリティの観点から、ChatGPTで扱う情報に関する社内教育も併せて行うとより効果が高まります。
6.まとめ -「不完全だけど良きパートナー」としてChatGPTと付き合う
いかがでしたでしょうか?
ChatGPTは、質問すれば何でも回答してくれる非常に優秀なAIですが、それでも人間が持つ疑問すべてに完璧に答えてくれるわけではありません。
「相談相手として頼りにはするけど、任せきりにはしない。最終決定権は人間自身が持つ。」という、つかず離れずのちょうど良い距離感を見誤らないようにしたいものです。
なお、「ChatGPTを活用しても、実際の人手が足りない・・・」とお悩みの企業様向けに、当社では情シス支援サービス「ION」を行っております。
以下リンクより情シス支援サービス「ION」に関する資料を無料でダウンロードすることができますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。