Microsoft Azure(アジュール)は、Windowsで有名なMicrosoft社が提供するクラウドサービスです。
特に、Microsoft365やWindows Serverといった他のMicrosoft製品との親和性の高さから、導入に踏み切る企業が近年続々と増えてきており、今ではAWSに次いで世界第2位のシェアを誇っています。
そこで今回は、後発のサービスながら世界トップのAWSを猛追しているMicrosoft Azureについて、基本的な概要や特徴・メリット、主要なサービス・導入する際の注意点・効率的な学習方法など、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
「Azureの概要や特徴について詳しく知りたい」
「Azure導入にはどんな企業が向いているか知りたい」
「数あるクラウドサービスの中でもAzureを選ぶべきかどうか迷っている」
・・・という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.Microsoft Azure(アジュール)とは
Azure(Microsoft Azure)とは、Microsoft社が提供するクラウドサービスのことで、AWS(Amazon Web Service)やGCP(Google Cloud Platform)と並ぶ世界3大クラウドサービスの1つです。
2008年にMicrosoft社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年に「Windows Azure」としてクラウドコンピューティングサービスの提供を開始しました。2014年には「Microsoft Azure」へと名称変更が行われています。
Microsoft Azureの「Azure」は「アジュール」と読み、英語で「空」を意味する言葉です。
クラウドサービスの「クラウド(雲)」と掛けて、雲を自由に浮かべる空のような存在をイメージして付けられた名称と言われています。
Azureでは、サーバーやネットワークなどのITインフラだけでなく、IoTやブロックチェーン、AIの機械学習、データ分析など、さまざまな開発・分析業務を行うためのプラットフォームをクラウド上で提供しています。
AWSと同様、200種類上の多種多様なサービスがあり、ニーズ・目的に応じてサービスを自由に組み合わせながら利用することができます。
Azureが提供するサービス形態:IaaSとPaaS
一般的にクラウドのサービス形態は、「SaaS」「IaaS」「PaaS」の3種類にカテゴライズされますが、Azureはこのうち「IaaS」と「PaaS」の2つを提供しています。
■IaaS
IaaSは「Infrastructure as a Service」の略語で、「イァース」または「アイアース」と読みます。
サーバー(CPU・メモリ・ストレージ)やネットワーク、ファイアウォールなどの各種ITインフラを、インターネット経由で利用できるようにしたサービスです。
■PaaS
PaaSは「Platform as a Service」の略語で、「パース」と読みます。
アプリケーションを開発・実行するための環境(=プラットフォーム)を、インターネット経由で利用できるようにしたサービスです。
Azureの歴史と業界での立ち位置
先述の通り、AzureはMicrosoft社が2008年に発表し、2010年に商用サービスとして開始されたクラウドサービスです。
初期には「Windows Azure」という名称で、主にWindowsのアプリケーション開発を支援するプラットフォームとして位置づけられていましたが、その後2014年に「Microsoft Azure」へと名称を変更し、オープンソースの技術にも対応するなど、サービスの対象を徐々に拡大していきました。
グローバルなクラウドサービス市場では、AWSに次いで2位のシェア(25%)を占めており、Microsoft/Windows製品との親和性の高さや、Microsoftという信頼性の高いブランド力を背景に、とりわけ大企業による導入が進んでいます。
近年はAIやIoTといった最先端技術の活用にも力を入れており、既存の企業システムとの連携や移行のしやすさも相まって、Azureはクラウドサービスの分野において非常に強い存在感を示しています。
2.Azureの特徴・メリット
Azureが持つ特徴やメリットとしては、次の9つが挙げられます。
- 全ての機能がクラウド上で提供
- コストメリットが高い
- Microsoft製品との親和性が高い
- ハイブリッドクラウドの実現
- セキュリティレベルが高い
- 障害や災害への対策が万全
- 拡張性および柔軟性が高い
- 日本の法律が適用される
- 日本円での支払いが可能
全ての機能がクラウド上で提供
Azureの特徴は、その全ての機能がクラウド上で提供される点にあります。
ユーザーは自身のPCやオンプレミスサーバーにソフトウェアをインストールすることなく、インターネット経由でAzureのあらゆる機能を利用することができるので、サーバー購入・設置費用といった初期導入コストを抑え、自社サービスの早期立ち上げが可能となります。
コストメリットが高い
Azureでは、使用した分だけ料金を支払う「従量課金制」を採っており、必要なリソースを必要な時間だけ利用できるため、無駄なコストを削減することができます。
ほかにも、Azureには「予約割引」という仕組みがあり、将来的なリソース使用状況を予測して1年あるいは3年間分の料金を先払いすることで、最大72%の割引を受けることができます。
基幹システムなど、稼働状況の予測がつきやすいケースに利用すると、大幅なコスト削減効果が期待できます。
Microsoft製品との親和性が高い
AzureはMicrosoft社が提供するサービスのため、Word、Excel、PowerPoint、Microsoft Teams、SharePointといった各種Microsoft製品との親和性が非常に高いという特徴を持っています。
そのため、Microsoft製品を既に使用している企業にとっては大きなメリットとなり、Azureとの連携もかなりスムーズに行うことができます。
Windows ServerやSQL ServerといったWindows系のオンプレミスサーバーとも相性が良く、企業が既存のインフラやアプリケーションをAzureへ移行する際に、連携が失敗してシステムが使えなくなってしまうリスクを大幅に軽減することができます。
移行後も、同じMicrosoft社が提供する製品・サービスのため操作感が似ており、Azureの利用開始にあたって抵抗は感じにくいでしょう。
ハイブリッドクラウドの実現
Azureでは、プライベートクラウド(=自社で管理するクラウド)やオンプレミスの環境と一部連携させながら利用することを前提とした「ハイブリッドクラウド」のサービスが充実している点も大きな特徴の1つです。
すべてのシステムをクラウドに移行して運用する「フルクラウド」を前提とする他社パブリッククラウドも多い中で、Azureならではのハイブリッドクラウド関連機能を活用することにより、バックアップ先の分散やデータの統合・一元管理などが可能になります。
セキュリティレベルが高い
Azureでは、3,000人を超えるセキュリティのプロによって堅牢なセキュリティ対策が施されており、データの暗号化やアクセス制御、監査ログの収集など、多層的なセキュリティ機能を備えています。
世界各国にあるAzureのデータセンターは、外部からの侵入を防ぐために警備員や何重にもわたるセキュリティゲートが配置されているほか、内部不正によるデータ流出や改ざんなどにも対応しており、機密情報漏えいのリスクを最小限に抑えることができます。
また、Azureのサービスを提供しているサーバーについても、サイバー攻撃などによる不正なアクセスを自動検知する仕組みを導入して24時間365日セキュリティ監視を実施しており、異常があった場合は瞬時に対応を行える体制が整っています。
障害や災害への対策が万全
Azureでは、世界60ヵ所の地域にデータセンターが散らばっており、一部の地域で障害・災害といった問題が発生しても、他の地域のサーバーを利用して迅速なサービスの復旧が可能です。
日本国内では東日本地域(東京・埼玉)、西日本地域(大阪)にデータセンターが整備され、大地震が来ることを想定して、建物には地震の揺れを受け流す「免震構造」を取り入れています。
さらに、Azureには自動フェイルオーバー機能(=あるシステムがダウンした場合に自動的に別のシステムに切り替える機能)も備わっているため、システム停止の影響を最小限に抑えることができます。
拡張性・柔軟性が高い
Azureではオンプレミスの場合と異なり、必要に応じてリソースを自由に増減させることができるため、サービスの拡大やアクセス数の増加により負荷が集中する際は高スペックなサーバーを利用し、負荷が少ない際は低スペックのサーバーを利用するなど、状況に応じて運用を最適化することができます。
また、AzureはMicrosoftが提供している他のさまざまなアプリケーションやサービスと連携して、自社の状況に合わせた柔軟な活用が可能です。
例えば、Office製品のサブスクリプションサービスであるMicrosoft365と組み合わせて利用したり、SQL ServerやOracleを含むデータベースサービスを利用することができます。
日本の法律が適用される
Azureでは、他のクラウドサービスと違って、万が一トラブルが起きた場合でも日本の法律が適用される点が大きな特徴となっています。
例えば、AWSはアメリカの法律を準拠法とし、管轄裁判所もアメリカとなっていますが、Azureでは準拠法が日本の法律であり、管轄裁判所は東京地方裁判所となっているため、問題が発生しても対応がスムーズに行えます。
さらに、サーバーの設置場所を日本国内に限定することも可能であり、日本を拠点とする企業が安心してサービスを利用できる環境が整っています。
日本円での支払いが可能
Azureを提供するMicrosoft社の本社はアメリカにありますが、Azureでは毎月の利用料について、米ドルベースではなく日本円で支払うことができるため、為替の変動を心配する必要がないのも大きなメリットの1つです。
ちなみに、支払いはクレジット決済のみで、口座引落や銀行振り込みなどには対応していないので、その点は注意しておきましょう。
3.Azureの主要なサービス・できること
Azureは、ストレージ・ネットワークなどの「IaaS」、AIやアプリケーション関連の「PaaS」、「セキュリティ・ID管理」、「ハイブリッドクラウド」の4つの分野で、計200種類上の幅広いサービスを提供しています。
ここでは、その中からAzureの代表的なサービスを9つご紹介します。
Azure Virtual Machines:Azureの仮想マシンサービス
「Azure Virtual Machines」は、Azureの仮想マシンサービスです。
仮想マシンのサイズや性能を自由に選択し、必要なOSやソフトウェアをインストールして利用できます。
Microsoft社のWindowsはもちろん、Linuxなどの他社OS環境でも利用できる点が特徴で、ビジネスのニーズに応じてリソースを簡単に追加・削減することができます。
Azure Functions:サーバーレスでコードを実行
「Azure Functions」は、Azure上にてサーバーレスでプログラムを実行できるサービスです。
コードの実行に必要なインスタンスは自動で追加・削除され、メモリも必要に応じて自動的に拡張されます。
そのため、プログラムの実行環境をわざわざ自分で用意する必要が無く、開発者がコーディングに集中できるというメリットがあります。
Azure DevOps:ソフトウェア開発・運用のためのツール群
「Azure DevOps」は、ソフトウェア開発と運用を効率的に行うためのプロジェクト管理ツール群です。
「DevOps」は開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせてできた造語で、開発からテスト、デプロイ、運用に至るまで、一貫して迅速に作業を進められるよう支援することで、開発チームの生産性向上やプロジェクト期間の短縮などを実現します。
機能の一例としては、次のようなものがあります。
- Azure Boards:進捗管理やタスク管理を支援
- Azure Repos:ソースコードの共有に必要なGitリポジトリ機能を提供
- Azure Pipelines:コンパイルやデプロイの機能を提供
- Azure Test Plans:テスト計画の作成やテストケースの実行を支援
Azure Storage:Azure用のクラウドストレージサービス
「Azure Storage」は、Azureが提供する大規模なクラウドストレージサービスです。
画像やエクセルファイルなど、どんな種類のデータでも格納することができるほか、ストレージの管理・保守はAzure側に任せられるため、ユーザーの負担が軽減されます。
また、Azure Storageに保存されたデータは最低でも三重化され、さらに遠隔地への自動複製も可能なため、データ消失のリスクを最小限に抑えることができます。
なお、Azure Storageは以下の4つのサービスで構成されています。
- Azure Blob Storage:テキストや音声、圧縮ファイルといった大量の非構造化データを保存できる。データは「オブジェクト」と呼ばれる単位で保管され、HTTP/HTTPS経由でアクセスが可能。
- Azure Files:ファイルストレージサービス。オンプレミスのファイルサーバーと同様のアクセス・共有が可能。
- Azure Queue storage:非同期メッセージングサービス。ストレージアカウントのなかに「キュー」という容れ物を作り、その中へシステム連携時にやり取りする「メッセージ」を格納できる。
- Azure Table storage:NoSQLデータベースであり、大量の構造化データを格納できる。
Azure Active Directory(Azure AD):ユーザーIDの一元管理
「Azure Active Directory」(Azure AD)は、Microsoftが提供するクラウドベースのID・アクセス管理サービスです。認証やアクセス許可、デバイスなどのID管理を一括で行うことができます。
Azure ADでは、ユーザーがIDとパスワードでの認証を1回行うだけで複数のサービスを利用できる「シングルサインオン(SSO)」の仕組みが実現可能で、これによりパスワード管理の手間が軽減されるほか、パスワード流出による情報漏えいなどのセキュリティリスクも抑えられます。
さらに、Azure ADには「多要素認証(MFA)」や「条件付きアクセス」といった強力なセキュリティ機能が多数備わっており、企業のセキュリティ対策強化にうってつけです。
Azure Information Protection:情報漏えいを防ぐソリューション
「Azure Information Protection」は、企業が所有・管理するデータを安全に保つための情報漏えい対策ソリューションサービスです。
電子メールやOfficeアプリで作成したドキュメントなどのデータをラベル付けして管理し、それぞれのデータの重要度に応じて、必要最小限のユーザーのみにアクセス権限を付与することができます。
ほかにも、クレジットカード番号のような機密情報を含むファイルを自動的に識別し、必要に応じて暗号化・アクセス制限を行う機能や、データがどのように利用されているかを監視・追跡する機能なども兼ね備えています。
Azure AI:人工知能・機械学習プラットフォーム
「Azure AI」は、Microsoftが提供している人工知能(AI)を利用できるサービスです。
用途や目的に応じて、機械学習モデルの構築やデプロイ、ボットサービスの作成などを行うことができます。
自前で機械学習などの開発環境を用意するのが難しい場合などにAzure AIを利用すると、コストを抑えてAI開発に集中して取り組むことができます。
Azure Virtual Desktop:安心・安全なリモートワーク環境を実現
「Azure Virtual Desktop」は、Azure上で仮想デスクトップ環境を構築できる機能です。
専用のアプリケーションを起動してデスクトップ環境に遠隔接続することで、自宅や外出先からでも使い慣れた会社PCと同じ環境下で作業を行えるため、生産性の低下を防ぐことができるというメリットがあります。
Microsoftが提供する高度なセキュリティ機能も組み込まれているため、リモートワーク環境において不正アクセスやマルウェアの脅威から企業の重要なデータを守ることが可能です。
Azure OpenAI:Azure上でOpenAI社開発のAIモデルを活用
「Azure OpenAI」は、OpenAIが開発したChatGPTなどのAIモデルをAzure上で実行・活用できるサービスです。
AIや機械学習に関する専門知識がなくても、AIモデルを組み込んだアプリケーションの設計から構築、運用まで一貫して行うことができます。
Azure OpenAIでは、99.99%という非常に高い可用性を誇っていること、Azureの強固なセキュリティでデータが保護されていることから、企業は安定・安心の環境下でAIを活用した新たなサービスの開発を進めることができます。
4.Azureを導入する際の注意点
Azureを活用する際は、下記の注意点について留意しておきましょう。
専門知識とスキルが必要
Azureを導入する際には、特定の専門知識とスキルが必要となります。
Azureには多くのサービスや機能が用意されており、日々頻繫にアップデートが行われています。
自社のビジネスニーズに適したシステム構築やセキュリティ設定・運用を行うためには、それぞれのサービスの特性と活用方法を十分理解したうえで適切なサービスを取捨選択することが必要なほか、ユーザー側も知識やスキルのアップデートを怠らないことが何よりも重要です。
通信トラブルへの対策
Azureを導入する際には、通信トラブルへの対策も重要となります。
クラウドサービスは基本的にインターネットを通じてデータをやり取りするため、ネットワークの安定性が求められます。
通信トラブルが発生した場合、データの損失や業務の停止など、大きな影響が出る可能性があるので、インターネット回線の冗長化などにより十分な帯域を確保するようにしましょう。
また、Azureに備わっているネットワークの監視・侵入検知システム等のセキュリティ機能を活用することで、外部からの悪意ある攻撃を防ぎ、安全な通信環境を確保することができます。
セキュリティ設定
Azureを安全に利用するためには、ユーザー認証やアクセス制御など、セキュリティ面の設定を適切に行うことが重要です。
特に、強い権限を持ったユーザーになりすました不正アクセスによる情報漏えいを防ぐためにも、各ユーザーやグループのアクセス権限を厳密に制御するだけではなく、多要素認証(MFA)機能を活用して認証機能をより強化しておくと安心です。
クォーター制限
Azureでは、すべてのユーザーが公平にサービスを利用できるようにするため、および過剰なリソース使用によるシステムの過負荷を防ぐために、利用するサービスによって一定のリソース制限が設けられています(=クォーター制限)。
もし制限を超えてサービスを活用したい場合は、Microsoftのカスタマーサポートに連絡してクォーター引き上げのリクエストを行う必要があります。
無理に上限を超えてリソースを使用しようとすると、システムが予期せぬ動作をして業務に悪影響を及ぼす可能性があるため、クォーターの確認は定期的に行うようにしましょう。
公式ドキュメントの検索性
Azureは多くのサービスと機能を提供しており、公式ドキュメントの数も非常に豊富です。
しかし、ドキュメント量が膨大であるがゆえに、特にAzureの新規利用者にとっては、必要な情報になかなかたどり着けず、問題解決に多大な時間を要する可能性があります。
現在Microsoftでは、カテゴリ分け・タグ付けによるドキュメントの整理や、Q&Aセクションの設置、Microsoftコミュニティの提供などによる検索性の向上を図っていますが、公式ドキュメントの質が必ずしも高いわけではない点は十分認識しておく必要があるといえます。
5.Azureの導入に向いているケース
Azureの導入に適している3つのケースについてご紹介します。
Microsoft製品と連携させたい
Azureは、Microsoft製品との連携に優れているため、既に多くのMicrosoft製品を導入している企業に最適です。
例えば、Microsoft 365であれば、Azure ADを用いることでSSO(シングルサインオン)を実現し、IDやデバイス管理の手間を大幅に削減できるほか、Windows ServerやSQL Serverなら、オンプレミスからAzureへのスムーズな移行を支援してくれるツール「Azure Migrate」を活用することで、移行作業の負担を軽減することができます。
ハイブリッドクラウドに移行したい
互換性などの問題で既存のオンプレミス環境を使い続けなければならないものの、クラウドの利便性・拡張性といったメリットも享受したい場合など、オンプレミスとクラウド両方の強みを活かしながらシステム導入・運用を行いたい企業にとっても、Azureの導入が向いているといえます。
特にAzureは、オンプレミス・クラウド両方の特性を生かしたハイブリッドクラウド環境の構築・管理に優れているため、一部のアプリケーションだけをクラウドに移行し、元のオンプレミス環境とクラウドとの間でデータを自由に移動させる、といったことも可能です。
セキュリティを強化したい
機密情報を取り扱っており、情報漏えい等防止のためにセキュリティを強化したい企業にとっても、Azure導入はおすすめです。
Azureには、Microsoftが提供する信頼性の高い強固なセキュリティ基盤を利用して、機密情報の保護・脅威の検出・データ侵害への対応を支援する豊富なサービスが用意されています。
これらのセキュリティ強化サービスを効率良く管理・運用できるダッシュボードもあるため、自社のセキュリティ対策の見直しやレベルアップを図りたい場合に大いに役立ちます。
6.Azureの導入手順
Azureは、以下の3ステップで手軽に始められます。
Microsoftアカウントを発行する
Azureへのログインや各種サービスを利用するには、Microsoftアカウントが必要です。
Microsoftアカウントをまだ持っていない場合は、Microsoftの公式Webサイトにアクセスし、「アカウントの作成」をクリックした後、画面の指示に従って作成を行います。
Microsoft Azureにサインインし、Azureアカウントを作成する
Microsoftアカウントの作成が完了したら、Azureの公式ページにアクセスし、「無料で始める」をクリックします。
Microsoftアカウントでログインした後は、個人情報や連絡先情報などの必要な項目を入力し、Azureアカウントを発行します。
Azureの管理用ポータルサイトへサインインする
Azureアカウントの作成が完了したら、Azureの管理用ポータルサイトへアクセスし、サインインします。
サインイン後はAzureのダッシュボード画面が表示され、そこから各種設定や機能の操作を行うことができます。
7.Azureの効率的な学習方法
Azureの学習リソースとしては、「Azure公式ドキュメント」 と「Microsoft Learn」をメイン教材としつつ、サブ教材として書籍などを活用すると効率的です。
Azure公式ドキュメントで学ぶ
Azure公式ドキュメントは、Azureのサービスの使い方を詳細に説明したもので、初心者から上級者まで幅広い層に対応しています。
公式ドキュメントであるため、最新かつ正確な情報が提供されているほか、Azureの各サービスごとにセクションが分けられているため、知識を深めたいサービスについて重点的に学習することができ、自己学習には最適です。
また、Azure公式ドキュメントには、テキストだけでなく、サンプルコードやチュートリアルなども含まれており、特にチュートリアルでは具体的な操作手順に沿って実際に手を動かしながら学ぶことができるため、単に理論的な知識を身につけるだけでなく、実際の操作感覚も掴むことができます。
ただし、先述のドキュメント検索性などの問題から、Azure公式ドキュメントだけで学ぶのは難易度がやや高めなので、各種オンラインセミナーや書籍などと組み合わせながら、自分に合った学習法を見つけることが重要です。
トレーニングサイト「Microsoft Learn」を活用する
Azure公式ドキュメントと併せて、Microsoftが提供するトレーニングサイト「Microsoft Learn」も活用すると、学習効果がより高まります。
「Microsoft Learn」はMicrosoft のWeb上にて無料で公開されているe-Learning形式の学習ツールで、Azureを含む各種Microsoft製品の使い方をハンズオン(演習)形式で学ぶことができます。
Azureの新機能やアップデート情報も随時提供されているため、技術の最前線を追いかけながら、自分のペースで学習を進めていくことが可能です。
なお、Azure初心者の方は、3部構成となっているラーニングパス「Microsoft Azureの基礎」から、Azure全般の機能について一通り学んでおくと良いでしょう。
Azure入門者向けの認定資格「AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals」に必要な知識もカバーされているので、レッスンが終わったら学習の成果を確認すべく資格試験に挑戦してみるのもおすすめです。
書籍で学ぶ
自分のペースで一歩一歩着実に学びを深めるなら、書籍を利用するという手もあります。
書籍では、Azureの基本的なコンセプトや機能、サービスの説明から、具体的な使用例やベストプラクティス、導入手順、トラブルシューティングまで幅広くカバーしており、特に初心者にとっては、専門的な知識を要するAzureの機能やサービスを理解するうえで、書籍の段階的で分かりやすい説明は大いに助けになります。
ただし、Azureは日々アップデートが行われているため、書籍だけでは情報が古くなってしまい、最新技術のキャッチアップが間に合わない可能性もあるため、Azure公式ドキュメントやMicrosoft Learnと併用しながら学習を行うことをおすすめします。
8.Azure・AWS・GCPの比較
Azureは世界3大クラウドサービスの1つとして名を馳せていますが、そのAzureとよく比較されるのが残りの2つ、Amazonの「AWS」とGoogleの「GCP」です。
以下の表で、それぞれのサービスの特徴を比較してみましょう。
3大クラウドサービスの中で最もシェア率が高いのはAWSで、Azureはそれに次ぐ2位となっています。
また、AWSがクラウド業界のリーダーとしてバランスよくさまざまなサービスを提供している一方で、Azureは各業界・業種に特化し、その業界固有の問題を解決できるソリューションを提供している傾向が強いです。
ほかにも、AzureはMicrosoft製品と、GCPはGoogleサービスとの親和性が高く、自社製品・サービスとの連携がしやすいという点では似た者同士といえます。
それぞれのサービスの特徴を理解して、自社にとってメリットが大きく使いやすいサービスを選ぶと良いでしょう。
9.Azureの移行に関するご相談は、ぜひコンピュータマネジメントへ
いかがでしたでしょうか?
Azureは、Microsoft社が提供するクラウドサービスであり、AWSやGCPのような他サービスと比べて、
- Microsoft製品との親和性が高い
- セキュリティレベルが高い
- ハイブリッドクラウドサービスが充実している
- 日本の法律が適用される
- 日本円での支払いが可能
といった特徴があります。
Microsoft製品を既に多く利用している方は、ぜひ一度Azureの無料アカウントを作ってサービスに触れてみてください。
なお、当社コンピュータマネジメントでは、セキュリティ対策(EDR導入)に伴いオンプレミス環境からAzureへの移行を手がけるなど、Azureを用いたインフラ構築において確かな実績を有しております。
オンプレミスや他クラウドからAzureへの移行をご検討されている企業様、Azureの活用法に関してお困りの企業様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。